日本伝統的国民性は何処へ

 最近歳を取ってきた関係からか、古き良き時代の慣習に憧れを抱くようになりました。馬鹿な奴が考えている「古き良き時代」が何時頃を指しているのか明確にできませんが、少なくとも50年以上前のことでしょう。この時代が「古き良き」時代なのかどうか「古き悪き時代」だったのかもしれません。

 最近周りの人の行動を見ていますと、前には考えられなかったような行動が当然のごとくとられています。

 仕事でいえば、仕事一辺倒であり、周りと懇親を深めるような行動、私語を含めて極めて少なくなりました。会社では、仕事だけの付き合いであり、仕事以外ではほとんど付き合いがなくなってきています。孤独を感じる者も多いと思います。

 また、現在マンションに居住していますが、隣近所の付き合いは全くありません。名前すら「個人情報」を盾に教えてもらえません。したがって、隣近所の付き合いがなければ家族とのみ話をするため矢張り孤独を感じます。

 日常生活においても、朝の洗顔をすますことなく、パジャマのまま食事をしています。食べればよいとの感覚で、大口を開けて食べています。そうそうテレビにおいても大口で食べるシーンをたびたび見ますし、また大口で食べることを俳優・女優の売り物にしているのです。ここには、食事にありつけることへの感謝の気持ち、伝統的な上品に食べるという感覚は皆無です。同じように食堂においても大盛りを売り物にしているニュースをたびたび見ます。昔は、食事を与えてくれた者に対する感謝をしながら、当然のことですが、上品に食事をすることが大事であり、一つの礼儀作法だったと思いますが。

 高校、大学生活も以前は種々の奨学金制度がありました。現在も残っているでしょうが、留学補助金等の援助は聞いたことがありますが、普通の奨学金については余り聞いたことがありません。馬鹿な奴が中学、高校時代は奨学金の話もありましたし、国の機関、防衛大学、警察大学校、保安大学校、税務大学校、気象大学等の給与を受給して学べる学校(各府省研修機関一覧を参照)が種々ありました。しかしながら、現時点ではこれらの機関へのPRはほとんど目にしたことがありません。昔は、もっと努力すれば夢がかなう、報われるという希望がありました。

 さらに、結婚前の同性も、妊娠も当たり前のように考えられています。現在、芸能人が結婚を発表するに際して記者から当然のごとく同棲生活、妊娠の有無の質問がなされます。このような行動に対し、非難めいた記事を見たことがありません。

 現在、夫婦別姓の論議がなされています。個人の自由のみが論議されており、いい悪いは別として日本の古来からの家族制度について議論されることがありません。家族制度の話になりましたが、昔は家族全員で仏前で手を合わせたものでした。現在は、仏壇自体が家にないのです。日本から、宗教がなくなりつつあります。

 そして、現在、IR(統合型リゾート)の誘致が企画されています。このリゾートには国際会議場・展示施設などの施設、ショッピングモールや美術館などのレクリエーション施設、国内旅行の提案施設、ホテル、レストラン、劇場・映画館、テーマパーク、スポーツ施設、スパ、が予定されています。これにカジノを加える企画だそうです。日本では、基本的には賭け事は許されていないと考えています。年賀はがき、宝くじ、競輪、競馬、パチンコ等は一種の賭け事ですが許可されています。でも今度のIRでは、カジノについて、日本の道徳的観点から検討されたとは聞いていません。

 種々現在の日本における現状と「古き良き」時代とを比較してみてきました。
 種々の物事を処理するうえで日本の伝統的国民性、歴史、道徳観念、生活観念を十分考慮し、そのうえで修正等を考え、実行してほしいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?