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パワーハラスメント受難歴

 つい最近、馬鹿な奴(私)の知人がパワーハラスメントを受け、うつ病になってしまいました。この話を人づてに聞いた時、これだけパワーハラスメントについて世情騒がれているのに、身近に存在するんだと驚いてしまいました。

 もう30年以上前のことですが、馬鹿な私も2回パワハラを受けたことがあります。その時のことを思い出しながら書いてみましょう。

 第1回目は、人事異動があり、新たに上司が赴任してきたときのことです。その上司は、私の経歴に嫉妬した様子が見て取れました。そして、人事異動があって、1ケ月ぐらい経った時です。祝い金をある場所に届けるように言われました。そして私は命令されたとおり、持参したのです。そうしますと、翌朝その上司Aが出勤してくるや否や私を怒鳴りつけるのです。祝い金を持って待っていろと言っただろうというのです。この怒りは3日以上続き、その後ほとんど口をきいてもらえませんでした。ちなみに、部下Bに上司Aの言動を確認したところ、上司Aは私に対し「祝い金をある場所に届けるように言った。」と証言しました。その時は、上司Aのさらにその上の上司Cが私に事情を聴いてくれ、理解してくれましたが、直属の上司Aへの執り成しはしてくれませんでした。それから、人事異動まで約1年間、針の筵であり、自殺すら考えるようになりました。

 第2回目は、人事異動に伴う送別会の席上でした。馬鹿な奴(私)は、中学生のころ音楽の先生に「お前は音痴だ」と言われ、もともと自分でも意識していたため、歌を歌うことが非常に下手でした。送別会では必ず歌わされるので約1ケ月ほど前からある曲を一生懸命練習したのです。そして、送別会の席上、案の定歌うよう言われ仕方なく練習した曲を歌いました。そうしましたら歌が2番に差し掛かったとき上司がマイクを取って歌いだしたのです。そして、3番目になったときマイクを変え、お前が歌えと言われました。私は「途中からは歌えません」と断ったところ、いきなり顔を殴られ、怪我はしませんでしたが眼鏡を壊してしまいました。翌朝、上司は人を介して謝罪しましたが、眼鏡の修理費については何ら触れてきませんでした。その後他の上司を通してメガネの修理も申し立てをしましたが、結局うやむやとなってしまいました。

 一方で、馬鹿な私がパワハラスメントをした側になったことがあります。人事異動である部署に移った時のことです。私が次席で、私の下にもう一人若い人がいました。約半年ぐらいたった時に私の上司から「お前は、部下にいじめをしているのか」と問われました。もちろんそんなことはしていませんと答えましたが、部下は書類を見せてくれないと言っているというのです。書類は共有のものですから、見せてと言われれば当然のことですが見せます。しかしながら、部下は「見せてほしい」という言葉を発することができなかったのでしょう。このことによって、うつ病になり、長期病欠となってしまいました。馬鹿な奴の配慮が足りなかったと現在も思っています。

 パワハラにも、意識的に行うものと、普通の通りやっていても受け取る側の意識として感じる場合があるようです。やはり、周囲に対する配慮は十分行う必要がありますし、しなければなりません。

 わたしは、2回のパワハラで自殺まで考えた私が、これを契機として、退職し、自立しました。お陰様で、76歳になった現在でも仕事ができ、いまだゴルフができ、楽しい、意義ある生活ができたと思っています。万事塞翁が馬ではありませんけれども、2回のパワハラを受けたことによって、別の道を歩き、パワハラをした者を恨むどころか感謝すら感じるところです。
 
 パワハラで悩んでいる皆さん、パワハラをした者は後になって終身悔やむことになるという地獄を味わうことになり、これを受けた者は、何らかの転機になることも考えられます。どうか頑張ってください。                                                                                             2020.9.20記述


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