LoL 日本語wikiのコメント閉鎖に見る、コミュニティ運営の難しさ
League of Legends(以下LoL)の日本語wikiには、トップページにコメント欄がある。
公式の掲示板が廃止されたいま、ユーザー交流の場として重宝されていた。
しかし2020年12月、コメント欄が一時的に閉鎖された。
なぜ閉鎖されたのか?
画像の連投によるスパム行為が止まらなかったから。
https://loljp-wiki.tk/wiki/?%A5%B3%A5%E1%A5%F3%A5%C8%2FFrontPage%2F39
本来は一行のコメントが並ぶ場所なのだが、愉快犯により画像だらけになってしまった。
wikiの仕様として、一定のデータが溜まると過去ログに移動される。
コメントが流れてしまうわけだ。スパム行為によって。
LoLの話題が投稿されるや否や、スパムによってコメントが消えていく。
事態は収拾する気配を見せないので、一時的に閉鎖するしかなかったんだろう。
忌避される論争、そして発狂
コメント欄が一時閉鎖される少し前、ある論争が起きていた。
「LoLの日本サーバーは過疎か?」という論争だ。
日本サーバーの人口に不満を持つ者と、冷静にデータを示し反論する者がおり、議論は過熱。
3日間にわたりコミュニティで論争が続いた。
で、ここからが問題。
論争を見かねた一部のユーザーが、論争そのものを消そうとしたのだ。
以前の仕様では、コメント欄は自由に修正できた。
しかしながら、気に入らないコメントを消す荒らしが横行したため、編集権限は制限された。
制限の中で取られた手法が、先の「画像連投によるスパム行為」である。
議論が過熱するのは、それだけLoLへの関心度が高く、情熱があるからだ。
異なる意見が並ぶのは有意義であり、議論のログはコミュニティの財産だ。
だが呆れることに、中には「議論=良くないもの、避けるべきもの」と考える者がいる。
議論を避けたいなら、非表示にしてしまえばいい。
コメント欄には、特定の話題のみ非表示にする機能があるのだから。
あろうことか、荒らし行為でコメント欄の浄化を図ったわけだ。
必要なのは「自治」の精神
スパム行為は当然悪いことだが、見て見ぬフリするユーザーも悪い。
「この論争が終わってくれるなら……」という思いで、スパム行為を黙認する者も多く見られた。
コミュニティに議論は付き物だ。
好きなればこそ、語調も荒くなる。
論争に発展しても耐える精神を持ち、荒らし行為のスパムは通報する。
どうしても対応できないこと、例えばwikiのデザイン変更などは管理人を頼る。
こうした自治の精神が、LoLの日本語wikiには足りなかった。
あまつさえ、管理人に毒を吐く者が続出した。
コミュニティ運営で大事なのは何か?
管理人による規制よりも、ユーザーの自主的な判断・行動だ。
企業が運営するwikiならいざ知らず、有志の管理人には限界がある。
四六時中、監視と規制をするわけにもいかない。
管理人に仲裁されるのではなく、自分たちで解決しなければ。
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