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OMORI 感想【ネタバレあり】

OMORIというゲームの感想です。

主人公が夢と現実を行ったり来たりしながら自己と向き合っていくストーリーです。

罪の告白

ズバリこれがOMORIの最大のテーマです。

友人を信じて自らの罪を告白するか、告白せずに塞ぎ込んだまま死ぬか。

どちらを選んだとしても壮絶な苦痛しか見えないのがこのストーリーの辛さでもあります。

主人公の共犯者であるバジルが望んだものは主人公と共に真実を守り抜き、昔のような明るい日々を取り戻すことでした。そして、「あの日」からバジルにとっての唯一といってもいい心の拠り所が世界でたった1人、真実を共有している主人公でした。バジルはオモリにきっとうまくいくと語りかけます。

だからこそ主人公の引っ越しはバジルにとっては耐え難いものでありバジルは死をもって罪を償おうとします。

ここで生を選ぼうとする主人公と死を選ぼうとするバジルとの対比(対立)が顕になります。バジル戦はこの対立から生じていると考えられます。

バジルと主人公に終始付き纏っているなにかはマリの死への関与からくる罪悪感だと考えました。

主人公はその後自らを塞ぎ込むように隠していたおもちゃ箱を開け、バイオリンと楽譜を手にします。あの日にバイオリンを壊したのは主人公自身であり、主人公にとって壊れたバイオリンはあの日の悲劇を象徴するものでした。

主人公は友人との日々を思い出し、徐々にバイオリンが修復していきます。

主人公にとってバイオリンが友人との幸せな日々を象徴するものであるということが明らかになります。

ここで主人公は夢の中の自分自身であるオモリと対立します。オモリはあの日をきっかけに数年間も現実逃避を繰り返した主人公が作り出したもう1人の自分でした。主人公にとってオモリ戦はこの数年間の長い幸せな夢から覚めるための闘いでした。

目を閉じて夢から覚めようという一見矛盾したmy timeの歌詞はまさしく幸せな夢による呪縛からの解放を意味していると考えました。

主人公は幸せな夢を捨て、辛い現実を生きることを決意します。現実を生きるという選択は友人との決別を意味するある一方、バジルの呪縛を解放するための唯一の手段でもありました。

これはあくまで予想なのですがエンディングの後に主人公が友人らに伝えたことというのは自分のみがマリの死に関与しているという嘘なのではないかと考えました。これは全ての罪を自分が背負うことでバジルを救うためです。

オモリの最大のテーマであった罪の告白は実は過去との決別と自己犠牲を孕んでいたのではないかと考えます。

この罪の告白を友人らがどう受け止めるかは我々の想像次第ですが普通に考えれば友人らは真実を隠していた主人公を責め、かつてオーブリーがバジルにそうしていたように主人公を拒絶するでしょう。

こうしてら友人と決別し全ての罪を背負うことになる主人公がこれからも大切にしたいと願ったものがオモリ戦のスキルの「大切にする」でのケルの言葉、オールリーの願い、ヒロとの約束、バジルの希望だったのではないでしょうか。

主人公がこのエンディングの後どのように生きるのかは想像できませんが、これからも自己嫌悪と自己犠牲を繰り返し、他人を拒絶しながら最悪の日々を送っていくことになると思います。そして、幾度となく死の寸前に追い詰められバイオリンを奏で、そのたびにマリや友人らとの鮮明な記憶がフラッシュバックし生きることを決断するはずです。

このオモリというゲームは主人公の人生の序章でしかなく、この先もずっと同じような夢と現実が繰り返されるはずです。

バイオリンが奏でられる間は…


薄っぺらい感想、

とういより思いついたことを書き連ねてるだけですが…

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