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【イベントレポート】出版記念対談イベント!「無敗営業」著者 高橋浩一氏 × 「リーダーになる前に知っておきたかったこと」 著者 小林慎和

株式会社bajjiは「未来を変える出会いを増やす」をビジョンに、ブロックチェーン技術を活用した新しいSNS『bajji(バッジ)』を開発しています。bajjiは、ユーザーの活動の軌跡(誰と会ったことがあるか、誰からどんな評価をもらっているか)を可視化することで、「動く人」がもっと活躍できる世界を目指しています。

そして、まさに『bajji』のユーザー像である「動く人」高橋 浩一氏が、著書『無敗営業』を発売したことを記念して、株式会社 bajji代表で「リーダーになる前に知っておきたかったこと」著者の小林と対談イベントを1月14日に行いました。

登壇者プロフィール

高橋 浩一氏
東京大学経済学部卒業。現在は、TORiX株式会社の代表取締役。


外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社創業参画(取締役副社長)。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表に就任。これまで、上場企業を中心に50業種3万人以上の営業強化を支援。行動変容を促す構造的アプローチに基づき、年間200本の研修、800件のコンサルティングを実施。8年間、自らがプレゼンしたコンペの勝率は100%を誇る。
また、スタートアップへの出資やアドバイザー業務も行っており、Reapra Venturesのアウトサイドサポートメンバーも務める。

主な著書に『人を巻き込む仕事のやり方』(ファーストプレス)、『バカ売れ営業トーク1000』(KADOKAWA)。2019年10月に出版した『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』(日経BP)は、発売直後からベストセラーとして好評を博している。
小林 慎和
大阪大学大学院卒。現在は、株式会社bajji ファウンダー&代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学 准教授


これまでに国内外で7社起業しているシリアルアントレプレナー。
野村総合研究所で9年間経営コンサルタントとして従事、その間に世界17カ国での事業立ち上げを経験。

2016年6月日本に帰国し株式会社LastRootsを創業。日本初となるICOを実行。同社はIBM Blue Hub賞を受賞。2019年4月に上場企業の子会社化し、同社代表取締役を退任。同月、人と人の信頼関係を可視化するSNSをブロックチェーンで実現するべく株式会社bajjiを創業。

主な著書に「海外に飛び出す前に知っておきたかったこと」、「リーダーになる前に知っておきたかったこと」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。


2人の出会い

小林:本の話に入る前に、まずは自己紹介代わりに私たちの出会いから話しましょう。田端にあった家を覚えていますか?

高橋:もちろん、覚えてますよ。

小林:今でいうシェアハウスなのですが、2Kくらいの大きめの家を借りて、何人かでシェアして暮らすという、当時は相当前衛的でしたね。そこに私の会社の後輩が住んでいて、友だちを呼んでディスカッションなどをしていました。そこのディスカッションで会ったのが初めてでしたよね。

高橋:そうですね。当時は、よく田端に行っていて、あの時のメンバーとは今でもたまに会いますよ。あの時は、2010年位ですかね。ユーストリームの時代だったんですよね。

小林:今から10年前。知らない人たちが集まってシェアハウスを営み、夜になるとさらに知らない人たちがたくさん集まってディスカッションしているのをユーストリームで配信し、世界に何かを問うという。そうとう変ですよね(笑)

『無敗営業』が出版された経緯

小林:『無敗営業』は、高橋さんの何冊目の本ですか?

高橋:3冊目ですね。1冊目は『人を巻き込む仕事のやり方』、2冊目は『バカ売れ営業トーク1000』という、売れなかった本(笑)

小林:今回はどうですか?

高橋:売れていますね。1・2冊目はサッパリだったから、人によっては「(『無敗営業』を)高橋さんの1冊目だから買いました」って言われることもあります(笑)

小林:売れた勝因はなんだと思いますか?

高橋:それが、よくわからないんですよね。初版の数を伝えられた時も、編集さんに「気を悪くしないでくださいね」と言われたくらいで。

小林:それが、蓋をあけてみると?

高橋:会社などで、まとめて買う人がけっこう多かったんですよ。

小林:確かに。これは研修商材としてとてもいいと思うんですよね。ターゲットって、営業部があるけっこう大きめな企業に勤めてる営業さんですか?

高橋:それと、スタートアップやベンチャーの企業さんとか。この本、けっこう分厚いじゃないですか。一人で読むのけっこう大変なんです(笑)

小林:ノウハウがいっぱい詰まっているから、研修でちゃんとやらないと血肉になりにくそうですね。1冊で3日位の研修ができるんじゃないですか?

高橋:そうですね。これを元にした研修はすでにあって、おかげさまで、問い合わせもいただいてます。

小林:TORiXのメインコンテンツでもあるんですか?

高橋:そうですね。こういうのを元に営業マンの強化研修などしてますね。

小林:営業マンの強化コンサルがメインで、その教科書になると。色々な仕事をやっていって、ノウハウを蓄積していったという感じですか?

高橋:後者の方に近いと思います。お客さんと話していると、大体4つの力のどれかになるのがわかって、そこからは4つをぐるぐる回る感じになって、深まってきたところで出版について声をかけていただいたという感じですね。

『無敗営業』を簡単に説明すると…

小林:これから読む方のために、ネタバレせずに触りだけ教えていただけますか?

高橋:僕が本の中で描いてるのは、「質問力でお客さんを理解して、お客さんからズレないようにしましょう」ということなんです。
お客さんが欲しいと思ってることや困ってることからズレないようにするために、まずは色々質問をしましょう。
でも、質問ばかりしてると嫌がられるので、たまにはお役立ちしましょう、というのがプチ訴求力。
これらをぐるぐる回っていると、色々な情報がもらえるようになり、ロジックを作る、行動で素早く回しましょうという4つですね。

小林:これは、動画を見直してメモをとらないとですね!

高橋:最近は、書評ユーチューバーが増えていて、上手に解説してくれているんですよ。それを見るのもいいかもしれませんね(笑)

学生時代に人見知りを克服しようと奮闘

高橋:冒頭で、僕は子どもの頃から人見知りだったって書いてるんですけど、意外としゃべりに自信のない営業マンって多いんですよ。

小林:確かに、田端のシェアハウスでは、高橋さんが営業のコンサルをする人、ましてや本を書く人には見えなかったですね。どうして「営業」をテーマにしたんですか?

高橋:子どもの頃からすごいコンプレックスだったんです。幼稚園の頃にも、人見知りが原因で起こった悲しい事件とかありましたし、小学校でもうまく人と話ができなかったんです。社交力がない上に、運動神経もなくて…。小学生の頃に野球をしていたのですが、僕だけ学年メンバーの中で一人だけレギュラーになれなかったとかあったんですね。中学では、テニスをしたらそこそこやれたんですけどね。高校入ってから「人見知りを克服しよう」と思ってやった飛び込み営業がけっこう面白くて、そこから徐々に治ってきたって感じですね。

小林:何の飛び込み営業をしてたんですか?

高橋:英会話教室のポスター貼りですね。「美観を損ねるから」という理由で、けっこう断られるんです。それがだんだんゲーム感覚になってきて、あの手この手を使って攻略するみたいな感じでやってましたね。出来高制で、1枚いくらという仕事だったのですが、2枚貼ってもらうためには「2枚貼らせてください」ではダメで、「3枚貼らせてください」と言ったら大丈夫だとか、そういうのを探りながらやってましたね。

小林:では、大学を卒業して、TORiXになる前まではどうだったんですか?

高橋:コンサルの会社に2年半勤めた後で、友人と3人で会社を立ち上げました。僕、こういうぼそぼそしゃべる感じですし、公認会計士の勉強もしていたのもあって、その会社では管理担当をしていました。1年位して営業になったのですが、大学の時もテレアポのアルバイトをしていたので、ほかの2人よりテレアポへの抵抗がなくて、毎日ゲーム感覚で電話をかけてました。6年くらいやっていたのですが、その間に営業というのをしっかり見るようになって、そこから組織や会社を見るようになりましたね。

3つの質問と4つの力とは?

小林:本の話に行きましょう。「3つの質問と4つの力」とありますが、他にも色々あるんですか?

高橋:4つの力のうちのひとつに3つの質問が入っている感じですね。他の3つの質問にも紐づいているのですが。公演ではよく「質問は大事」という話をするのですが、途中で質問の仕方を変えると得するということに気づいたんですよ。それで、「この質問の聞き方をすると絶対得しますよ」と話してるうちに、色々引き合いが来るようになって、それで3つの質問だけ出したって感じですね。
営業の人にはおしゃべり好きが多くて、「質問をする」と聞いてもあまりピンと来ない場合があるんですよね。社会人になってからの営業って、自分の生活と密接につながってるじゃないですか。でも、高校生や大学生だとアルバイトだから、言い方が正しくないかもしれませんが、ゲーム感覚的でできちゃうんですよね。成績を気にせず、1件ずつトーク内容を変えるとか、けっこう楽しいんです。
でも、高校・大学でそんなアルバイトをしてる人って少なくて、さらにその後でコンサル業界に行く人って、もはやいないと言ってもいい位だと思うんです。

小林:なるほど。

高橋:テレアポが苦手な人の大体は、相手の顔が見えないから苦手と言うのですが、僕の場合は相手の顔が見える方が苦手。勝手に相手がガチャ切りで強制終了してくるのが苦手という人もいますが、僕の場合はどれだけ粘らせるかという捉え方なんです。だから、当時はストップウォッチを持ってきて、何分粘るかゲームをしてました。代表電話って粘るの難しいんですよね(笑)

小林:そうですよね。相手は、話を聞く体制じゃないですからね。

高橋:学生時代のテレアポは個人商店にかけてたんですよ。それが社会人になって企業にかけると、「関係者全員、会議に入ってます」と断られるようになったんです。はじめは真に受けていたのですが、途中から(おかしいぞっ)と思い始めて、ある日「全員って何人なんですか?」と聞き返したら、電話の相手がひるんだんです。
そこから、相手がひるむ質問をしようと思って、「会議は何時に終わりますか?」と繰り返していると、段々切られなくなっていって、相手も面倒くさくなって、電話を次のバトンにつなぎたくなってくるんですよね。
そうやってバトンリレーをつながれていくと、会いたいポジションの人に会えるようになっていくんですよ。

セールス電話お断りの向こう側

高橋:断りの電話を突破して、アポを取って訪問した時に、「どうして会っていただけたんですか?」って聞くと、「そっちが会いたいって言ってきたからじゃん」ってなることが多いんです。
よく、2割の法則と言いますが、それと同じで、会ったら2割の人が色々話をしてくれるんですよ。

小林:へー!

高橋:ある時、「僕みたいにたくさん質問する人っていますか?」って聞いたんですよ。そしたら、「いません」って言われたんです。お客さんの2割はいいことを教えてくれるのに対して、営業マンのほとんどが聞いてない。ということは、これを続けていくととんでもないことになるんじゃないかという考えに至ったんです。

小林:なるほど。では、会ってくれる2割の人の中で、印象的だった答えの人はいましたか?

高橋:それはですね、新しいサービスに興味があるんじゃなくて、今のサービスに何かしらの不満を持ってる人がほとんどでしたね。そしたら、今のサービスの満足度を聞くんですよ。「今のサービスは100点満点だと何点くらいですか?」「100点にならない理由は何ですか?」って。すると、お客さんの悩みや疑問がすんなり聞けるんです。そして、「じゃあ、足りない点数分を補う提案を考えるので、提案のチャンスをください」って言うと、次回のアポが取れるんですよ。

小林:すごいですね。

高橋:でも、そこまでできた理由には、僕が対人恐怖症だったのが大きいんです。就活の時は、面接であえてしょうもない質問をしてましたね。意識的に自分から失笑を買って、それに慣れる練習をしてましたね。

「スピード」があると他の営業マンと差別化してもらいやすい

高橋:お客さんに色々な質問をする中で、「他の会社が来るサイクル」も聞いていました。業界によっても違うと思うんですけど、研修って大体10日サイクルなんです。提案を修正する場合、営業が次に来る10日後まで待てない状態だったら、それまでに良さそうな所に決めちゃうんです。だから、提案の修正があったら、翌日に持っていく。朝、修正をもらって夕方持って行くってやり方もあって、そうすると他の会社の対応が遅く感じるようになるんですね。特に、勝負をかけたい案件の場合は、朝にもらって「夕方にまた来ていいですか?」って聞いてたんですが、大体ビビられてましたね。「今日はダメ」と言われたら、「じゃあ、明日来ます」って。『翌日来ます作戦』ですね。

小林:普通の営業マンって、訪問は1日1回までって思い込んでる所がありますよね。

高橋:ありますね。営業って、お客さんとどれだけ多くのエンカウントを持つのかが大切だと思うんです。ある程度関係ができてくると、相手もだんだん面倒くさくなってきて、向こうから手帳見せてくれるようになるんですよね。そうなると、10日に1回来る人と翌日来る人とでは、違う存在になってきますよね。

小林:なるほど。

次回作のテーマは「マネジメント」

小林:いったん、この本を2年くらい推していく感じですか?

高橋:いえ、実は次回作をもう決めていて、今度はマネジメントの本を書こうと思ってるんです。

小林:『無敗マネージャー』ですか?

高橋:マネジメントの無敗はけっこう難しいと思うんですけど(笑)マネジメントは全然違う観点からですね。まだ、話は全然決まってなくて、次に編集さんと会う時に、次回作の提案をしようと思ってる所なんです。

『リーダーになる前に知っておきたかったこと』の中から

小林:反対に、私に聞きたいことはありますか?

高橋:質問ではなく感想になってしまうのですが、「自分の言ったセリフを他人がさも自分で考えたことのように話す」というのが印象に残ってるんです。

小林:それは、30歳くらいの時に、私の言った提案をお客さんが「自分が考えた」という体で私に言ってきたことがあったんです。「それ、私がこの前言ったことじゃないか」と、はじめは憤慨していまして。でも、後から気づいたんですが、人の話って忘れがちだし、自分の中から湧き出て来ない言葉は探しに行くしかないんですよ。だから、自分が言った言葉を他人が自分の考えのように話す時は、すごくいいサインだと。自分が思っている思考過程を相手に植え付けたということだって。

高橋:その部分が一番印象に残っていたということですよね。僕はしゃべるのが苦手なんですけど、人に多く伝えようとしがちっていうのがあって、話を色々削って、わかりやすく伝えられないというのがあるんですよね。

小林:アウトプットに困った時は、インプットするしかないように思います。コンサルをしていた時に、1チーム5人のリーダーをしていたのですが、他のメンバーが一生懸命プレゼン用の資料作りをしている間、私は色々な人に会いに行って話を聞きに行っていました。プレゼン相手に一番刺さる言葉が何なのかを探しに。そこで仕入れてきた言葉を、プレゼンの最後にポロっと言うと、コンペで勝てたりするんですよね。

高橋:小林さんはどちらかというと行動派ですよね。昔から「アマチュアは考えて、プロは動く」と言っていましたし、動くってすごく大事だなって思いますね。

小林:そうですね。今見えてる景色も、動いたらその分だけ変わるんですよ。だから、何か困ったら考えるよりも動こうっていうのは昔からありますね。

「気軽に連絡をください!」

高橋:時々SNSで「会いましょう」って連絡が来たり、感想をくださると、すごく嬉しいです。

小林:私もそうです。高橋さんに対して「こんなに売れてる人に連絡するなんて悪い」と思っている人が多いかもしれませんが、見た方は気軽に連絡してみてください!

高橋さんのTwitterアカウント:@takahashikoichi


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