ワーママはなぜ生きづらいか

なる前はわからなかったワーママのモヤモヤ

独身時代バリバリ仕事をして、結婚してすぐ出産した。産後も仕事に戻ったが、それは葛藤の連続だった。自分でもうまく整理がつかなかったモヤモヤは、今になってやっとその正体が見えてきた。

マリア様みたいな完全無敵のママのイメージ

ママになったからには子どもにとって良い母でありたいと思うのは当然のことだ。そして、初めてママになる女の子はイメージ先行になる。完母で、イライラしなくて、四六時中親身にお世話して、食べるものも気を遣って、おもちゃも選び抜いて、着るものも赤ちゃんの肌に良い上等なもので、離乳食も手作りで、雑誌のママみたいに自分も綺麗にしつつ、家の中もきちんと片付けて…。

無理である。無理なのに、みんながやっているような気がしてくる。それができないママはダメなような錯覚に陥る。しかし、24時間戦えますか?戦えるわけがない。ただの女の子にサイボーグになれといっているようなものなのだ。なのに、赤ちゃんに対する罪悪感がママを苦しめる。ちなみに、パパでそのように感じている人にはあまりお目にかからない。ママはこうあるべきというイメージが先行しているのだろう。

出産以前の自分、同僚との差

仕事で乗り越えないといけないことは大きく分けて二つある。まずは、自分が今までのようには出来ないという事実を受け入れること。無尽蔵に時間を使って仕事をしていた頃と違って、時間が足りなくなる。自分の能力的にはもっとできるはず、時間さえあれば…と悔しくなる。自分にとって完成度70%くらいで切り上げなくてはならない。それは、今までの自分のように働いている同僚への羨ましさにもなる。時短で働いていれば尚のことである。

マミートラックに乗るのか

仕事が物理的に制限される時点で、働き方を考えなければならなくなる。ワークライフバランスを考えた時、マミートラックにあえて乗る選択もあるし、乗らざるを得ないということもある。よほどパートナーに恵まれていれば今まで通りに仕事ができるかもしれないが、そういう例は少ないだろう。しかし、育休、産休、時短によって能力とは関係なくキャリアから遠ざかることによる女性の心理的負担は実はかなりあるのではないか。その上、職場の同僚達の目も変わったりする。出産したことで、あなたはママだから、そういう働き方になるんですよね、と決めてかかられ仕事がまわってこなくなる。自分がやりたいと思っていても、時間的にも周囲の環境的にも諦めなくてはならなくなる。

育児と家事と仕事

24時間しかない時間の中で、ママのイメージと今までの自分の仕事のイメージとそれとは異なる環境にがんじがらめになり、翻弄される中でワーママはもがきながら爆走する。立ち止まって考える精神的、時間的余裕もないし、その中で多くのママが仕事を辞めていくのも事実である。

解決方法はあるのか

解決方法の一つとしては、そもそも長時間労働をやめる。個人の負担を減らして、社員全員が余裕を持つ働き方にすることである。ワーママは4時に帰るのに、他の社員は9時まで残っている、みたいな働き方があるからこそ上記のようなことが起こってくる。

とはいえ、働き方改革は一朝一夕には進まない。あとは、パートナーとの協力と、お金を使うことを躊躇しないことである。お金で解決できるのことはガンガンする。お金で時間を買わなければ回らないのだから。勿論、実家が近いといったような人的資源が確保できれば、それも一つの手である。

その上で、自分のハードルを全てにおいて一旦下げる。もしくは仕事を達成しやすいものに変える。これは、自分にとってストレスの少ない方でやるしかない。

おわりに

なぜ女性ばかりが損をするのだろう、とずっと思っていた。男性は育休を取らずにキャリアを継続する人も多いし、育休を取っていた男性も、育休を取っていた女性より仕事を回されているのを目にしてきた。性役割のイメージがまだまだあり、それが私達を生きづらくさせている。男女で子育てをし、仕事は余裕を持って行われる、そういう社会が実現されなければ、この問題に終わりは見えないだろう。

ワーママになったことで、育児と仕事と、やらなければならないことは絶対的に増える。その時、夫婦の状況もそれぞれだし、ママの考え方もそれぞれで、これが正解という選択肢はない。周りの声に惑わされず、自分が一番精神的に楽な落としどころを自分で探していくしかない。もう少し先には上記のような世の中になるかもしれないが、過渡期の今はそうやって乗り越えていくしかないだろう。

全てのママが幸福になれることを願わずにはいられない。



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