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淫夢系資料類

 大きな数字で全体を俯瞰することを目的としており、具体的な動画や、ジャンル内部のことには触れない。
 文献的な資料としては、真夏の夜の淫夢wiki「淫夢入門」及び「淫夢年表」を参照すべし。


1.Googleトレンド

 Googleでの検索量の推移。
 相当知名度が高くなければ引っかからないものの、全体像の把握には便利。

Google検索量の長期推移。

 突出した期間にソートして見ていくと、淫夢年表に記載されない類の話題も視覚化できる場合がある。

  • 2013年11月 モンハンKBTIT装備

  • 2018年05月 野獣先輩りゅうちぇる説

 ただ注意点として、特に2004-2005年あたりが顕著なのだが、明らかな異常値を吐き出す場合がある点。

またGoogleトレンドだと「☆」のような記号は除外される。「クッキー☆」と入力しても大半はお菓子か楽曲関連で、某東方動画関連の検索量の算定は不可能。

 2000年代時点ではまだ「淫夢」という語の流通も弱く、いくつかの語をマイナスしなければ規模を見誤るおそれがある点。

期間を狭めて「関連キーワード」から探っていく。

 青線だと2007年11月、多田野氏が日ハム指名を受けたタイミングで、「淫夢」検索量が跳ね上がっているように見えるが、実際は「KANAGI ~淫夢学園~」発売のウェイトが大きいようだ。

 数字の推移を整理していくと、
① ~2009年09月
 2ちゃんねる内のTDNネタに限定的だった時期
② 2009年10月 ~ 2010年12月
 動画を通じて「真夏の夜の淫夢」という作品名での認知が進行
③ 2011年01月~
 ジャンルとしての「淫夢」確立と普及
という形になろうか。

 淫夢年表では「2ちゃんねる時代」「ニコニコ動画時代」「Twitter時代」という分類を用いているが、Google検索量というのはそれらに対して中立的な存在であり、サイト間の差異を均しているように思う。
 2023年現在、動画コンテンツとしての淫夢ジャンルの中心は「AI拓也」であると認識している。
 ただその外側には、(おそらく最盛期には触れていただろうものの)積極的に動画を見に行くわけではない、語録を使うくらいの緩い集団、といった感じのサイレントマジョリティが想定され、「淫夢=野獣先輩」という構図は現在まで変わっていないのだろう。

まだ伸びる余地はあるかと思うが、根本的に動いている人間の規模が最盛期とは違いすぎるとも感じる。


2.2ちゃんねる

 いわゆる「2ちゃんねる時代」を探っていきたい場合には、かころぐβを使用。

日本球界復帰のタイミングで大きく伸びた。

 各所で散発的にスレが立ちはするものの、その多くはそう伸びることもなく落ちる場合が多かった。
 2006年以降「TDNのガイドライン」スレを中心として初期の界隈が形成されたものの、閉じた範囲での流行といった傾向も色濃く、全体としては縮小基調だったように思われる。

 2010年あたりからは上記スレに加え、youtube板の「真夏の夜の淫夢」スレや、ニュー速VIPやなんでも実況Jなどの雑談板で爆発的な伸びを示す。
 ただ時期的にそれは動画人気が波及した、という形のものであり、むしろ淫夢という流行の中心が、2ちゃんねるから移ったことを象徴したものと言えるだろう。


3-1.ニコニコ動画

 淫夢はゲイポルノビデオを題材としたジャンルであり、その発展過程は動画共有サイトの存在、特にその中心となったニコニコ動画の存在無しには語ることができない。
 まずは前提知識として、ニコニコ動画全体の長期推移を見ていきたい。

ニコニコチャートの記録値は、要はニコニコ動画(PC版)のページ最下部に表示されているやつ。作品削除があった場合、そのタイミングで作品総数や総再生数がゴッソリ消失するものであり、ある程度時期的なズレは想定される。

 2015年度(年別だと2016年)に総再生数のピークを迎え、以後急激な右肩下がりで推移している。
 ただ直近2022年度に限っては、一応の下げ止まりを見せた。

5月半ばまでの数値を参照するに、今四半期はまた減少に振れている様子だが。

 時期は多少後ろにズレているが、プレミアム会員数の減少と歩調を合わせるような形と言えようか。
 一応現状赤字というわけではなく、KADOKAWA決算資料では3年間ITインフラへの集中投資を行うともしており、動画視聴環境の改善と再成長、今後のサービス存続が期待される。


3-2.ニコニコ動画 (淫夢全体)

 当たり前ではあるが権利関係に問題が多すぎるジャンルであり、過去の有力とされた作品群の削除など、現在の検索結果のみから正確な形を把握することは出来ないだろう点はご容赦願いたい。
 まず動画総数の推移から。

2010年度まではレスリングが優越。

 2010年度から急激に動画数が増加、右肩上がりに動画を増やしていき2016年度にピークを形成、その後は少し落ち着き2019年度から現在までは横ばいで推移する。
 ニコニコ動画内の動画総数からすると1.01%程度であるが、

淫夢というジャンル自体はピークアウトし減少基調だが、それより遥かに深刻なレベルで、他のあらゆるジャンルがニコニコ動画内で伸びなくなっているように感じられる。

これが「一定の再生数をとれる水準」となると、途端に存在感が跳ね上がる。
 時期的に整理すると、
① ~ 2016年度
 ニコニコ動画の成長とともに人気ジャンルへと成長
② 2017年度 ~ 2020年度
 スマホ規制が実質的ホモコーストとして機能したのか後退
③ 2021年度 ~ 
 スマホ規制の変化によりある程度の再展開が進んだ
といった感じになろうか。
 2016年頃にピークを持つというのはGoogle検索量とも一致しており、その頃まではニコニコ動画が最も主導性を発揮していたのだろうが、その後は「Twitter時代」へシフトしたという感覚。
 ついでマイリスト数に関して。

 2012-2013年度頃の高まりのような差異は見られるが、2016年度にピークに達し以後右肩下がりという傾向は同様のもの。
 再生数と比べると割合は低くなっており、プレミアム会員以外の視聴が多いということだろうか。


3-3.ニコニコ動画 (淫夢個別)

 こちらは一応と言った程度。
 タグ数の多いものを大雑把に把握する。

 最も多いのが「淫夢実況」であり、全体数では1/3、10000再生超の動画としては4割ほどを占める。
 ついでに載せたbiimは必ずしも淫夢系タグ等を付けてはいないものの、語録の普及という点に関して、近しい関係にあると認識している。

 それに次いで多いのが、某東方動画関連。

「こじつけ」のことを考えると「ホモと見る」が溢れかえる現状というのも皮肉ではある。

 基本的に独立性が高く、淫夢系タグが付くものは4割弱にとどまる。
 淫夢以上に解体ペースが早いものの、普通の東方はyoutubeへ移った部分が大きいのか、10000再生超に限定するとここ2年間は「東方」の数値を上回った様子。

 あとはタグの数が多い諸々。

各数値は「ホモと見る」を除いたもの。

 2012年度までは音MADがメインコンテンツ。
 2010年度以降はBB制作量が増加していき、

2013年度から2018年度にかけてBB劇場がピークを形成。
 近年は特に転載動画群にあたる「ホモと見る」系が急伸、2022年度には再生数のトップ2を占めるなど、内実はスカスカとなりつつある。

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