見出し画像

学習指導案のフォーム

日本語教育とは関係のない話です。(だから読み仮名が無いです。)

学習指導案とは、学校で勉強を教える先生が授業の計画を立てるときに書く文書のことです。授業の目標、内容、教え方などを詳しく書いておきます。

授業を効果的に進めるために、毎回書くのが理想ですが、日本の小学校教員のように、ほとんど全ての教科を一人で行う場合には、「研究授業」や「授業実習」において、他の先生にどのような授業をするのかを説明するために書かれることが多いです。教師が授業を効果的に進めるための手引きとなります。

書かれている項目

学習指導案には、以下のような項目が含まれています。

  • 単元名・授業者名・学年・日付

  • 単元の目標

  • 評価基準

  • 授業の展開(導入・展開・まとめ)

  • 使用教材・準備物

  • 本時の案

「単元名」は、その授業でカバーされる教科の単元の題名を記入します。
「単元の目標」はその単元全体を通して、児童生徒に身につけさせたい能力や知識を具体的に記述します。
「本時の案」とは、単元全体ではなくて、その時間だけの計画を細かく描いたものです。研究授業などで人が見に来る時には、その時間の「本時の案」を指導案のあとにつけます。

基本的には指導案を読めば、説明が無くてもどのような授業が行われるかが分かるものが良いとされています。

統一フォーマットが無い

しかし、日本には、学習指導案の統一されたフォーマットが存在しません。
各教育委員会や学校で独自のフォーマットを作成しているのが実情です。教科ごとでも違ったりします。

このため、指導案の書き方が分からない学生や新人教師がネットで調べても、なかなかこれと言った情報がありませんし、他県のフォーマットで書いた場合に、「全然違う!」と言って怒られたりします。

指導案は、たった1回の授業のためだけに書かれるのはもったいないと思います。ある程度統一したフォーマットがあって、後から検索することができれば、知識と指導技術の積み重ねができるので、日本の学校教育のレベルはさらに上がるでしょう。

作ってしまおう

ということで、学習指導案のフォーマットを作ってしまおうと思います。

コンセプトとしては、
・現在のフォーマットにも置き換えられる
・スマホやWebでの閲覧に適している
だけで良いかなと思います。

未だに私の知っている学校現場では、指導案はB4見開きで書かれることが多いですが、ペーパーレス化がすすめば、Webブラウザを使って縦にスクロールするものの方が読みやすいでしょう。

HTMLってのはそもそもマークアップ言語なわけですから、このような文書を作成するのにとても向いていると思います。

一方で、「私の県のフォーマットにしないといけない」「紙に印刷したい」というニーズもまだあるでしょうから、それに対しては
「項目を細かくする」ということで対応すればいいと思います。
(具体的には「児童観」「指導観」「教材観」などを個別に書くということです。)

とりあえずフォーマット(案)

私も全ての指導案フォーマットを知っているわけではないので、これは案ですが、まずはこれをたたき台として、完成を目指しましょう。

  • 単元名

  • 授業者名

  • 対象学年

  • 指導日

  • 児童観

  • 指導観

    • 指導の重点

    • 育成を目指す資質・能力

    • 教科・単元の学習意義や目的

    • 学習内容に対する基本的考え方

  • 教材観

    • 教科書の特徴(長所・短所)

    • 補助教材の特徴と活用法

  • 単元目標

    • 知識及び技能

    • 思考力、判断力、表現力等

    • 学びに向かう力、人間性等

  • 単元の評価規準

    • 知識・技能の評価規準

    • 思考・判断・表現の評価規準

    • 主体的に学ぶ態度の評価規準

  • 単元の展開計画 (表形式)

    • 時間配分

    • 主な学習活動

うわー、結構たくさんありますが、各県のフォーマットに対応するにはこれぐらいしないといけませんね。

AIがどれくらい作れるか

そして実は、今回の記事の目的は、「指導案フォーマットを作ろう」ではなくて、「AIに指導案のたたき台を書いてもらおう」というものでした。

現場の先生の中には、「頭の中に指導のイメージはあるんだけど、それを指導案に起こすのができない。」という人がたくさんいると思います。
指導案の作成に、無駄に多くの時間を使って子どもとの関りが少なくなってしまうのでは、何のための指導案なのかということになります。

ということで、『AIがあれば、あなたの思いが形になります。』ってな感じで、指導案が完成するのではないでしょうか?

もちろん、完璧なものはできませんし、そもそも、各県のフォーマットに直す作業は必要になるのですが、大幅な時間削減になることは間違いないでしょう。

早速、「4年 国語科 『ごんぎつね』」の指導案をフォーマットを元に書いてもらいました。「児童観」等については詳細情報が少ないので、AIさんにお任せです。

単元名: 「ごんぎつね」
授業者名: 山田 太郎

対象学年: 5年生

指導日: 2024年6月1日~6月20日(8時間扱い)

児童観: 本校は東京都内の小学校であり、児童の多くが都会育ちのため、昔の田舎の生活様式を実際に経験したことがない。一方で、礼儀正しく、優しい性格の児童が多い。

指導観:
指導の重点は、作品の登場人物の心情を的確に読み取る力を養うこと。
児童に、思いやりの心や命の尊さを実感させることも目指す。
古典的な作品を通して、日本の伝統文化への関心を高めさせたい。

教材観:
教科書掲載の『ごんぎつね』は、抄録されているため、本編を補助教材として使用する。
ストーリーが分かりやすく、児童の想像力を掻き立てるよう工夫された挿絵が豊富。

単元目標:
登場人物の行動から心情を的確に捉え、考えを説明できる。(思考力・判断力・表現力)
生命の尊さ、思いやりの心の大切さを理解する。(学びに向かう力、人間性等)
古典の言葉遣いや表現に親しみ、日本の伝統文化に興味を持つ。(知識及び技能)

単元の評価規準:
登場人物の考えや心情を的確に捉え、根拠を挙げて説明できるか。(思考・判断・表現)
生命の尊重、思いやりの心を持つことの大切さを理解しているか。(主体的に学ぶ態度)
古典の言葉遣いや表現に親しみ、作品の魅力を味わえるか。(知識・技能)

単元の展開計画:
時間数 主な学習活動 2時間 導入、作品の設定や語り口に親しむ 2時間 登場人物の心情や行動の理由を捉える 2時間 主題をまとめ、作品の価値を考える 1時間 作品の魅力をまとめて発表する 1時間 古典作品や日本の文化について理解を深める

ICTの活用:デジタル教材で本文や挿絵を映し出し、細部の確認をする。
グループディスカッションの様子を撮影し、振り返りに活用する。
クラウド上でレポートを共有し、添削指導を行う。

AIさんが作った学習指導案

どうでしょうか?なぜか「ICTの活用」という項目を作り出しましたが、この辺りはこちらのアイデアの助けになるので良いでしょう。

実際には、教材についての詳細な内容を入力してからたたき台を作り、そこからは、自分自身で改正していく形になるでしょう。

次回(があれば)は、実際に「単元」や「目標」を入力したら、フォーマットを元に学習指導案を出力するようなAIプログラムを公開できたらいいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?