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「水からの伝言」でリテラシー教育

「水からの伝言」というのは2000年ごろに書かれた本です。

内容は「疑似科学」ですが、こういった不思議なものを好む人は多いので、少しだけ流行りました。そのせいで、学校教育の中でもこの本の内容を使った授業が行われたとも聞きます。

今回は、この本が「ニセモノの科学だ」ということを詳しく書く記事ではありません。

ネットで情報に触れる時代の危険性

最近は、子供でもスマホやPCでインターネットにアクセスしていろいろな情報を得ます。

教科書では教えてくれない有効な知識がある一方で、
その中には、
「大人でもだまされてしまうような詐欺」
「人間の心理を利用した危険な陰謀論」
なども多くあります。

これらに関わってしまうと、金銭的な被害に合うだけでなく、命の危険にかかわることもあります。そもそも、子供時代の貴重な時間を無駄に過ごすことはそれだけで損害だと言えるかもしれません。

分かりやすい疑似科学を使って科学を学ぶ

学校現場では、情報リテラシー教育が求められていますが、そのためにつかわれる教材には少し説明しただけで「ニセモノだ」「疑似科学だ」と分かるモノの方がよいです。

「世界を裏で操っている謎の組織」については調べることができませんし、
「1年以内に大地震が起きる」と言われても確かめるのに1年待たないといけません。

また、政治や、医療に関する陰謀論の中には、大人であってもはまってしまうような「明確に否定できる証拠がない」または「説明が非常にむずかしい」ものが多いですので、学校の教材としては適さないでしょう。

水からの伝言で紹介されている方法であれば、比較的短時間で結果が出ます。
そして正しい操作をして、科学的に正しい実験操作が行われればこの本に書かれていることが「疑似科学であること」が分かると思います。

導入部分で、本の要約を聞かせ、実験の写真を見せ、一度、児童・生徒に信じさせてからの実験であればインパクトも大きくなるでしょう。

自分たちで実際に実験をする過程で、科学的な知見(論理性・客観性・再現性など)についても、学ぶことができるでしょうから、この疑似科学本は情報リテラシーを学ぶためのとても良い教材だと思います。

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