ママの膝は娘〈姉犬〉のもの

 娘〈姉犬〉マルチーズ。当時推定8歳。生年不明。本名不明。出身地不明。外国暮らしの家内(当時独身)が問題有りの前飼い主から引き取った子。家内と結婚後に娘となる。

 この子が前飼い主から家内の子になるまでの話は大凡聞いているのですが、気分が悪くなるので今回は見送り。

 この子ですが家にいるとママの膝の上で寝ている事が常でした。膝上で丸くなり、そのまま寝ています。当時、遅い結婚とは言え新婚なんですが、夫婦間には常に娘が居て、時々目を開けて私の顔を覗き込みます。なんか、品定めですよね。きっと。『こいつは、ママの男として合格か?俺が判定してやる』という気配が満ち満ちてます。

 まあ、家内も異国の地で仕事していたせいもあり、この子と暮らし始めてからは唯一信用できる話し相手だったようなので、二人は特殊な関係です。娘ですが、私を嫌いではなかったようで、初めてのご対面も、結構歓迎してくれましたが、娘が起きているうちは、家内に近づけません。膝上から動きませんからね。

 ある日、新居近くのトリミングさんに娘を送り出したのですが、何が理由か明確には覚えてないのですが、家内がトリミング屋さんが信用できなくなりました。で、他も探したのですが上手く合わず。私がシャンプーする事になります。パパと娘では有りますが、この後は娘から一定以上の信頼を得たようで、例の膝上からの上目使いの目線はちょっとやわらくなり、見ても『パパか』と、そのまま安心して眠るよになりました。まあ、娘が起きてる間の夫婦の距離は相変わらずですがね。

 その後も幾ら慣れて、完全に家族になっても、ママの膝は娘の物。亡くなる時もママの膝の上でだったものね。でも、亡くなる寸前にママの膝上で首を上げて、こっち見たのは何だったのだろうか?『ママを宜しく』だったのかな。大丈夫です。喧嘩絶えない夫婦ですが、その後、今でも一緒に暮らしてます。共に老いたけど。

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