馬楽の時間 119
馬術部物語
春休み。幸いにも又研修に行かせてもらった。東京乗馬倶楽部。
昭和40年代の東京乗馬倶楽部には小松崎新吉郎がいた。もちろんそんなことは知らない。例によって終日作業。綺麗な馬たち。私にとっては余所行きの服の人たち。美しい言葉。田舎もんの私は居場所を探すのに一苦労。
立派な髭の小松崎先生が乗る。ボロ拾いしながら盗み見する。
「なんじゃあこりゃあ」
アラブ系の衣川。馬場運動と言うより、正に供覧馬術。
戦後、皇居内にパレス乗馬倶楽部が存在し、そこにおられたのだとか。
今の上皇様が美智子様とご結婚され馬車でパレードをされたが、その時の馬たちを調教されたのだとか。また、デパートの1階に8m角の馬場を用意し、そこで演技されたのだとか。1階と言えば化粧品や宝石が並び、ガラスケースが多い場所。そんなところで馬に乗れるとは。
映画の撮影もしていた。記録映画にして残すほどの人。作家の木下順二さんが関係していたとか。
全部後で知ること。
衣川の演技。演技の名前が分からない。後で知るのだが、パッサージ、ピアッフェ、踏歩変換等々。馬上の先生はただ座っているだけ(にしか見えない)。これが馬術なのか?
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