馬楽の時間 36

調教について 馬装
 ハミを着けます。嫌がるかも知れません。嫌がる馬の方が多いかも知れません。馬の身になってあげて下さい。口に鉄の棒を入れてガツガツ引かれたのです。どんなに痛かったか、苦しかったか、辛かったか。「ああ、また痛い目にあわされるんだ」。人が側に行くだけで嫌な思いがよみがえります。できれば逃げたい。つながれているので逃げられない。せいぜい頭を高くするだけ。これを叱って無理にやるのは、下手なやりかたです。
 じゃあどうするか。もう一度、自分は敵じゃないと認めてもらいましょう。どうするか。気持ちのいいことをしてあげます。私はたてがみを手入れします。まずはたてがみが自然に垂れている方で櫛がなめらかに通るようにします。たてがみを反対側にして櫛をかけます。そして次は地肌をこすってあげます。頭からき甲の方へ。30分で激変します。なんの抵抗もなくハミを着けることができます。何頭もやってあげました。一度も失敗してません。

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