馬楽の時間 49

 身体が解れると同時に心も解れます。こちらからの提案に応じやすくなります。ゆったりの軽速歩のまま、頭頸を左右に振ってみます。まず右に。左の手綱を弛め、右の手綱を引きます。左を弛めるのが大事。左が弛められているので、馬は右の手綱に反応して右に向きます。初めは少しずつ。右手綱を弛め左を引きます。馬にも得手不得手がありますので、完璧を求めずに、少しずつふり幅を大きくします。
 人の提案を受け入れてみようとすることと、柔軟体操です。頭頸を右に振ると左の肩が前へ出やすくなります。左右の柔軟体操で可動域が広がり、より大きな動きが出来るようになります。私は乗ったら止まったままでこの動作をします。頭を引き寄せて顔をごしごしこすってあげます。気持ちよさそうです。もうこの段階で人馬一体は70パーセント達成と言えると思います。
 ここまで嫌なことは一切していません。馬も楽しむのが馬楽。

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