馬楽の時間 192

 人馬一体を目指しましょう。
 その為には馬へのお願いが大事です。
「私が乗った時だけでいいから動いてね」
 乗る前にしっかりお願いするんです。丁寧に丁寧に手入れしましょう。
 その馬くんの気持ちの良い所をコシコシしてあげましょう。
 たてがみが生えている地肌とか、尾の付け根の地肌は最高に気持ちがいいです。目がトローンとしてしまいますね。
 乗ったら馬が嫌がることは絶対しない。愛撫はたっぷり。
 特に色んな人に乗られている馬は、乗った人を値踏みします。
「こいつどんなヤツだろう」
 まず前へ出る合図を出します。反応しなかったら、ごまかします。
「ごめん、今の合図じゃないから」
 またやってみます。ダメならごまかします。3回目は互いに準備をしっかりして前に出てもらいます。鞭を見せてもいいでしょう。で、もし反応したら最大の愛撫をします。ただ前へ出ただけでこんなにと思うくらい愛撫です。ごまかすのは高等テクニックです。
「この人は良い人かもしれない?」と思ってもらえば正解です。
 こう言う考え方は、自分が馬だったらと想像してみることです。答えは自ずと出ます。まず、人を乗せて運動するのは大変だろうなと思えれば大丈夫です。人馬一体の境地は得られます。
 ごまかすと言う言葉は響きが悪いですね。何か良い言葉ありませんか?


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