馬楽の時間 135

調教
 前回の馬の合図は、モンティ ロバーツさんに習いました。
 モンティさんを知る前から、私も似たようなことをやってました。ただモンティさんのように、きちっと文章化出来ていませんでした。
 メンデスと言う競走馬あがりの馬をもらいました。直ぐ去勢。
 例によって人間不信。調馬索を試みましたが全くダメ。「ええい」と、策を外しました。30m×40mの屋内馬場、メンデスは爆走。手がつけられません。しばらく見ていましたが、なすすべ無し。勝算なし。
 私は馬場の真ん中にしゃがみ込んでしまいました。メンデスを見ていません。石のようにじっとして。しばらくすると、足音に変化。ダダダッ、ダダダッ、ダダダッがら、ダッダ、ダッダ、ダッダヘ。そして無音。
 もう分かりますね?常歩になりました。私はまだ石。無音。が、何やら音が近づいて来る。「メンデスが寄って来ているのか?」。私は石。
 そして、肩に息がかかりました。メンデスが私の匂いを嗅いでいるのです。そおっと立って、頭絡をつかんで愛撫。エサも持っていたのかなあ?
 手前を変えて発進。再び爆走。石。音の変化。肩に息。今度は早かった。馬は安全の最終確認を匂いを嗅いで行います。私を安全な動物と認めてくれたようです。
 この日からメンデスと話が出来るようになりました。
 モンティさんのやり方と共通するところがあるでしょう。私はモンキー ロバーツだと吹いています。モンティさんの実演の後、もうちょっとで直接お話出来たのですが、残念。お話出来れば、モンティさんも、日本にこんなヤツがいたのかと喜んでくれたと思います。

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