馬楽の時間 99

馬術部物語
 夏休み前だったかな、初めて軽速歩の号令がかかった。上級生のを見ていたので出来ると思ったが、そうは行かない。
「イッチニ、イッチニ」と尻を上げ下げするだけなんだがなあ。
 鐙をうまく踏めない。鐙が前へいってしまう。つま先立ちの感じ。仕方なく膝で挟んで立つ。ああまた膝が剥ける。
 一瞬上手くいった。「あああ」と思いましたね。「楽しい」。何しろ今まで正反撞ばかり。拷問だ。それがドンドンドンではない。なんだかフワフワした感じ。「快感!」「馬術やっててよかった」
 それが20年後、この軽速歩で悩むことになるとは。この頃突き詰めて考えていなかった。ただ2拍子の尻の上げ下げと簡単に考えていた。軽速歩を深く解説した本も無かったと思う。経験に基づいてきちっと解説したのは私が初めてでしょうね。誰にでも無料で教えています。
 上手くいかないからと、鐙を短くするのは反則です。馬場運動の長い鐙でも出来るようになりましょう。

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