馬楽の時間 68

寄り道5 母校での指導
 半停止。鏡の前で自分の姿をみながら、一番強く引ける形を探す。下の人に馬の前で、両手綱を引いてもらう。悪い例から。手の甲を上、肘を伸ばす、肩は前。あっさり前へ倒れる。抵抗できない。良い例。胸を開く、肘を曲げる(拳を下げない)、踵を下げる。これは強く引ける。鏡を見ながら、ちょっとエビぞりも加える。「どうだ綺麗だろう」。見た目にも綺麗な形になる。「半停止の時この形を意識して」
 ここからは部班。「歩度を伸ばせー」「歩度を縮めー」
「伸ばせー」で腰回り股関節をやわらかく、馬の動きに付いて行く。「頭頸を振らせる」を加える。「縮めー」でさっきやった「胸を開く、肘を曲げる、踵を下げる、ちょっとエビぞり」。声に出して言いながら。何度も声に出して覚える。下の者に、号令のかけ方を教えながら。「最近の学生は部班が出来ない」と愚痴るOBがいる。出来なければ教えるだけ。まずは大きな声で。下にいる者も油断できない。部班を6頭ずつ2回。厩舎に着いて、もう4時間近くたつ。あっという間。真剣だった証拠。感想を聞くと予想以上の答え。4時間前と表情が全く違う。私への警戒感が消えている。

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