馬楽の時間 199

 同じことを何度も言ってるかもしれませんね。
 引退競走馬をもらうでしょう。調教は上手くいってますか?
 私は何頭も調教しました。100は下らないと思います。競走馬から種馬になった馬も調教しました。その経験を聞いてください。
 競走馬だった馬は、精神的にズタズタにされています。当たり前ですね。極限まで追われているのですから。勿論例外はありますが、その率は数パーセントでしょう。ほとんどの馬は人間不信です。敵意を見せる馬もいます。
 調教はその崩れた関係を立て直す作業とも言えます。人間も同じですね。不信感を持っていたら、何をやっても上手くいきません。
 それで私は丸馬場での追い運動から始めます。関係回復には最高の方法です。何処かに書きました。
 不信感がある馬は乗られるのも嫌です。いらいらし、ガンガン突進します。それを抑えなければならないので、口を強く引きます。競走馬時代散々口を引かれているので「またかよ」と嫌な記憶がよみがえります。
 そんな馬でも乗れるんだと自慢げな人がいますが、私は賛成出来ません。馬は目を三角にして汗びっしょりです。力で抑えつけるのは調教ではありません。パワハラです。そんな人は最終目的も人馬一体ではないのでしょう。
 イヤー、そんな馬の調教を見てあげたいですねえ。目から鱗がばらばら落ちますよ。
 

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