馬楽の時間 45
まだ10分足らず。リラックスした速歩。何度か口をハミで触ってみました。嫌がりませんでした。さあ次です。頭頸を低く長く伸ばしたフォームのまま、左右の口にハミを当ててみます。柔らかくそおっと。相当丁寧にやっても「アッまた引かれる」と馬は思うそうです。馬に聞きました。「嫌だっ」と、ハミをぐいっと引いてきます。この時騎手が拳を固くしてしまうと、全て水の泡。初めからやり直しです。絶対抵抗せず手綱を弛めるのです。「ごめんごめん、嫌なこと思い出したね」「大丈夫」と愛撫。「そう言えば、条件反射でぐいっとやってしまったけど、強く引かれなかったなあ」と馬は思っています。「何だったんだろう?」
「さあもう一度やってみよう」。今度は馬もびっくりせず、ハミを受け入れようとします。でも今までのことがあるので不安は残り、ぐいっとやってしまいます。この時今度は完全に弛めてしまわず、口への圧を変えないようについていきます。さあ至難の業。
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