馬楽の時間 101

馬術部物語
 先輩たちが大会に行った。
 帯広から札幌へ貨物列車で行く。ワムとか言う貨車を使う。畳を使って仕切る。最大6頭。空いた場所に、牧草や馬具を積む。隙間に人が入る。違反だったんだが何人も乗った。
 厩舎から貨物の駅まで馬に乗っていく。札幌の駅についたら、また乗って大会会場に行く。今は馬運車が厩舎から大会会場まで運んでくれる。
 帯広から九州の小倉競馬場まで行ったことがある。1週間?
 貨車は何時走って、何時止まるか分からない。止まった時に、水を汲みに走る。集乳缶って分かりますか?牛乳を出荷する時に使うもので、水をいっぱい入れると20キロ以上あったと思います。貨車が動き出すと2人で必死に運んだものです。時には折角汲んだ水をぶちまけて走りました。
 先輩たちが帰って来ました。
 戦績が良い。優勝とか言っている。「強いんだあ」。私は何も知らない。実は帯畜は強かったんです。「そうか、俺たちは凄い部にいるんだ」
 いやが上にも意欲は増す。
 私は一年生の時一度も大会に連れて行ってもらえなかった。残念。

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