18歳ゲイがLove, サイモン 17歳の告白を見た感想【備忘録】

NETFLIXでたまたま見たLove, Simonについて、18歳ゲイ(非公表)が思ったことを書いていく。

まず、サイモンの心理描写はすごい。「ゲイであることが普通の世界」や「自分がオープンゲイである世界」を想像するのは僕もやったことがあるし実際に経験のあるゲイは多いと思う。
いわゆるカースト的には低い位置にいるイーサンとの対比もよかった。サイモンの学内での立ち位置は、そこそこにある。「ゲイだから」という理由でイーサンと同類にされるのを敬遠しているように見えた。カーストなどくだらない、とは思うが、アメリカの高校は日本よりスクールカーストが激しいと聞く。多感な17歳の少年にしたら、重要なファクターなのである。

マーティンはカスだが、世の中には想像力の働かないバカというのは存在する。絶縁レベル以上のことをしているが、悪意はないのだろう。

一番、初見で違和感があったのはアビー、ニック、リアのイツメンにハブられたこと。

まあ考えてみれば、グループ内の交友関係よりも、保身に走ったことは怒るに値するかもしれないが

失うものが違うのではないか、と今でも思う

アビーたちが失ったのは、彼らが恋愛に発展するかどうかという付加的なものだが

サイモンが失ったのは、アウティングによる学校の立場の崩壊、それによる公開いじめ。
公開いじめは、先生が制裁してくれたからよかったものの、あのままでは慢性的ないじめに発展しサイモンの精神が復帰不可能なまでに病んでしまったかもしれない。

もちろん私の視点はゲイ目線だからサイモンに偏っているし、異性愛者の人たちがあまりこの恐怖を理解できないのは分かる。
でも、友達なら、あんな公開いじめが起こった後には寄り添ってあげてよ、と思ってしまう。

リアは「あなたが私の気持ちに気づいてくれないから傷付いた」と怒ってたけど、さすがに自分本位すぎないか?その責任はサイモンにはないだろ…



この映画、ストーリーはどんでん返しということもなく、基本に忠実なのだが、サイモンの1人称視点で話が進むのでとにかく心理描写が濃く、リアリティがある。

家族は温かかったし、結構おすすめの映画です。後、見てて飽きなかった。

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