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Conspiración

研究所の中はごった返していた。防護服を着た俺の手下がそこら中の机をひっくり返して中身をぶちまけ、そのたびに研究員の悲鳴が上がる。
「あとは責任者のDNA情報だけだ。どこにある」
「ありません」
残された中では最も高い地位にいるらしい眼鏡をかけた研究員が答えた。
「待て。どういうことだ」
「先だって報告したはずですが。所長の遺体は焼却されています」
ならば生体情報など残っているはずがない。回収など不可能だ。その上で俺は回収に回された?
やられた。書類上、主犯である研究所所長のDNA情報のコピーを根拠にしてこの作戦は実行されている。つまりDNAの現物が手に入らなければ俺の任務は全て存在しないことになり、一切の作戦行動の根拠を失うことになる。であれば必定、すべての不都合が俺に被せられる…!
「文書、確認」
「現物、確認」
次々と証拠を見つけた報告が上がってくる。そして、それら全てのとばっちりが俺に回って来るのだ―

【続く】

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