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世紀末裸神伝説~僕が破門された理由~

その男は裸だった。
雲突く巨体に野生動物のようにしなやかな筋肉を纏い、岩山の如き偉容を誇っている。
それこそ獣の如く獰猛な笑みを浮かべ、悠々と、しかし油断なく歩を進める。
対峙する男もまた裸だった。
先の男が大岩であればこちらは鋼の如く、細身の体に硬く締まった筋肉が無駄なく全身を覆っている。
研ぎ澄まされた刃の如く鋭い所作で、神経質に、しかし迷いなく歩を進める。
「金谷よ。裸人拳奥義、本当にいいのか。お前にも機会はあるべきだ」
「愚問だ石動。貴様とも我が師とも既に袂を分かった。奥義はくれてやる。俺は俺の望むものを掴む」
「馬鹿言うな。陽子はお前についてっちまったんだ、奥義だけはいそうですかってわけに行くか」
鋼の刃――金谷は鼻で笑うと、問答は終わりとばかりに半身に構えた。岩の獣――石動は猫の如く背筋を丸め、両拳を正面に構えた。
双方とも一糸纏わぬ肉体を叩きつけるべく、引き絞られた弓の如く全身に力を漲らせた。

【続く】

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