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INFJドアスラム

INFJの理解を深めようとすると必ずと言っていいほど目にする「ドアスラム」という概念。ドアをバタンと閉めるように心や関係を閉ざす、という意味だそうです。
そのドアスラムについて、他タイプの方々がなかなか理解できないと頭の上に疑問符を浮かべている様子をよく見かけます。
この記事では、1INFJとしてドアスラムについて思うことやそもそもドアスラムとは?など、ドアスラムに焦点を当ててお話したいと思います。

1.そもそもドアスラムとは何なのか?

先述した通り、「ドアスラム」はドアを勢いよく閉じるように心や関係性を閉ざすことを指します。
勢いよくドアを閉めると誰もがそのドアの方を向くくらいのすごく大きな音がしますし、ドアを閉めた人は何かイライラすることがあったのか?と感じますよね。感情が昂っている場面だけでなく、急いで逃げ込む必要がある時もドアを丁寧に閉めようという余裕はないと思います。

INFJの私の感覚ですが、一口に「ドアスラム」と言っても感情が制御できない時、逃げ、防衛、優しさ、諦観など、様々な背景があります。実際にドアを強く閉める時と同じです。ですから、ドアスラムをした時に「なぜしたか?」を考えるとその理由は一様でないことがほとんどです。
インターネット上では「相手への不満が限界値に達した時、伝えても無駄だと感じてそっと関係性を切る」行為だと言われることが多いです。ですが内実はもっと複雑で様々な状況がある、ということを知っていただきたいです。

2.ドアスラムの種類

ここでは、私が個人的にドアスラムだと感じる行動・原因についてあくまでほんの一部ですが、例を交えながら説明していきます。

・相手への不満が限界値に達した
まずはインターネット上でよく取り上げられるものから説明します。
INFJは基本的に一度築いた関係性を大きく揺るがすことを嫌います。平穏で安定した関係性を継続するためであれば、多少自分が犠牲になって我慢しても構わないと考えることが多いです。ですから、多少の不満は心の中にしまいこんでしまいますし、「今はこういう状況だったからこういう感情になっただけかもしれないしな」と背景を推測して相手に対する不満を中和しようとします。

例えば、友人の声色や態度がいつもより冷たく感じられたとします。その時、「うわ、なんだよ冷たいなぁ。そんな言い方ないんじゃないの?」と不満が募ります。しかし、その場で「ちょっとその言い方はないんじゃない?」と指摘して喧嘩に発展する可能性をINFJは回避しようとする傾向にあります。喧嘩をして相手の感情が揺れるのを感知するのが嫌だからです。
ただ、回避したところで心の中のもやもやは晴れません。そこで、自分が感じた不満を「昨日も夜更かししてたって言ってたし、仕事も大変だったって言ってたしなぁ。そのイライラが声に出てしまってるのかも。大変だよなぁ。仕方ないか」と相手の背景や状態を推察することによって希釈します。この過程によって、多少の不満を我慢しています。
ある程度のラインまで不満が蓄積していくと相手への接し方が変わっていきます。声色や大きさが変化したり、絵文字や言葉の選び方を変えたり、会話量が変化したりします(それ以外に私がよくやってしまうのはメッセージへの返信を遅らせることです。基本的に通知が溜まるのが嫌なので即レスすることがほとんどですが、不満を感じることが増えると通知に気付いても未読時間を長くする傾向にあります)。そういった些細な行動の変化で「あなたに対する感情が変わってきている」ことを表出させます。不満量によってはわざと大袈裟に行動に変化を見せる時もあります。行動の変化はINFJからのSOSだからです。

ただ、INFJも人間ですから全ての不満を希釈して抱え続けることはできません。限界が訪れる時が来ます。行動の変化を示しても改善が見られず、INFJが抱えられる不満の許容量を超えた時、INFJは相手に対する一切の慈悲や優しさを捨てて相手との関係を断ちます。これがインターネット上でよく聞かれるドアスラムの一連の流れです。

・その場にいる価値を見出せない
例えば、友人A、友人B、INFJの3人で会話をしているとします。3人はそれぞれ仲が良く3人で遊ぶことも多いような関係性で、INFJもこの2人のことは好意的に思っていると思ってください。
3人で遊んでいる時、友人ABがINFJにはわからない・共感しにくい話題で盛り上がったとします。INFJは分からないなりに相槌を打ったり、微笑んだりしてその輪の中に溶け込もうと努力します。しかし、話題はINFJを置き去りにしてどんどん進んでいきます。INFJは次第に居心地の悪さを感じ始め、相槌などのリアクションが雑になっていきます。
そんな時間が続くとINFJは「私がここにいなくても友人ABは幸せそうだし、私がいる必要はない」と判断してその場から立ち去ったり、無心になったりします。

INFJは対等な関係性を好みます。ですから、仮に上のような状況であれば「3人の共通の話題」を取り上げて3人で盛り上がれば良いと感じます。「INFJにだけわからない話題」を取り上げられた時、INFJはこの場にいる3人は対等ではないと感じますし、2人で盛り上がっている場所に盛り上がれないINFJがいるのは場違い=その場にいる価値がないと判断します。そうして会話の輪から静かに抜けていくのです。

・相手との関係が対等ではない
先述した通り、INFJは対等な関係を好みます。何を以て対等であると判断するかは人それぞれかとは思いますが、私の場合は「giveとtakeのバランス」を見ることが多いです。
例えば私が友人にプレゼントを渡したとします(私→1give、友人→1take)。そこで友人が喜んでくれた(私→1take、友人→1give)場合、give:take=1:1です。その後友人が私にお返しをくれた(私→1take、友人→1give)時、私は感謝し友人へ喜びを伝えます(私→1give、友人→1take)。プレゼントの量が倍だったとか、お手紙がついていたとか、友人からのgiveが多いと感じた場合それに合わせて私も友人へgiveを多く返します。

INFJは人に何かを与えることを好む傾向があります。プレゼント、温かい言葉、寄り添う姿勢、時間など、好意的に感じる人に対しては惜しみなくコストを払います。それだけ自分が相手に様々なものをもらっていると感じているからこそ、多くのものを与えようとします。こうすることでgiveとtakeのバランスをとっているのです。
しかしこのgiveとtakeのバランスが崩れた時、INFJは対等ではないと感じます。「私の時間をあなたのために使ったのにあなたは私を気にかけず自分勝手な行動をとった」、「私ばかりがあなたの心のサポートをしていて、あなたは私の話を聞いてくれない」などがわかりやすいでしょうか。見返りを求めている訳ではなく、どちらかが施しすぎ/受け取りすぎというイコールで結べない関係性を嫌うのです。対等な関係を築けないと感じた時、INFJは少しずつ相手へのgiveを辞め、静かに身を引きます。

・周りに失望した
これは特殊なパターンですが、個人的にはドアスラムだったのかな?と感じたので参考程度に見ていただけたらと思います。
私は長年オタクをしており、様々なジャンルを転々としていました。基本的に一度好んだジャンルはずっと好み続ける傾向なのですが、たった1ジャンルだけもう2度と関わらないと決めたジャンルがあります。そのジャンルに関係する公式アカウントは全てブロックし、情報の一切をシャットアウトしました。
なぜそんな状況に陥ったかというと、そのジャンルを推している周囲の人々やそのジャンルに携わる人に失望したからです。

私は当時いわゆる「絵描き」としてオタク活動に勤しんでいました。私が楽しんで描いた絵を多くの方に見ていただけることも、仲の良いフォロワーさんから褒めていただけることも、大好きでした。
しかしある日、匿名のメッセージサービスに「いつ絵描きを辞めるんですか?」という攻撃的なメッセージが届きました。私はかなりショックを受け、絵を描くことを控えました。
そのことをフォロワーさんに伝えた時、とあるフォロワーさんからこんなことを言われました。「匿名だから誰が言ったのかわからないから、もしかしたらあなたのフォロワーかもしれないね」と。その時から(被害妄想と言えば被害妄想なのですが)その界隈にいる人間のことが信じられなくなりました。
この時に感じたのもgiveとtakeのバランスでした。もし攻撃してきたのが懇意にしているフォロワーだった場合、相手は私を傷つけておきながら私からの優しさやコメントは受け取れる(私のgiveが過剰)状態にあります。そんな卑怯な人がいることに心から失望しました。
この頃、界隈の人口が増えたこともありジャンルも過渡期にありました。私が好きだと感じていたものがどんどん薄れ、面白みがなくなっていくのをひしひしと感じました。もう私が求めているものはここにはないのだと感じ、その界隈とお別れをする決意をしました。

3.ドアスラムを回避する

様々なドアスラムの例を見てきましたが、ではドアスラムは回避できないのか?と言うとそうではありません。ドアスラムをするのはINFJ的にも最後の手段といった感覚ですので、できるだけ避けたいと感じています。ドアスラムに至るまでINFJ自身も(表には見せないかもしれませんが)多くの葛藤を抱えており、どうにもならないと感じた時だけドアスラムが発動するのです。

ドアスラムを回避する方法を2つ、紹介させていただきます。

①INFJと話し合いの機会を作る
ドアスラムをして壊したくない関係性だと感じている内に話し合いの機会を設けることがひとつの対策だと考えています。INFJは基本的に自分の感情よりも場の空気や快適性を優先してしまうので、大勢がいる場所ではなく、1:1で真剣に話ができる環境が必要です。愚痴大会や相談ではなく、あくまで「対話」が必要だということを念頭においてください。INFJが欲しいのは不満に対する謝罪ではなく、INFJの気持ちを受け入れようとする心です。

②INFJの行動を見る
本当にINFJと関係性を継続したいのであれば、INFJの行動に目を向けてください。今までの接し方と違う点はないか、態度は変わっていないか、話している時に目が合うか、など細かな点に気をつけてみてください。
INFJは自分の意見を表に出すことが苦手ですが、行動で示すことは比較的できます。INFJはいつもと違う行動を示すことでSOSを出しているかもしれませんし、INFJ自身も「行動で示しているからわかってくれ」と思っていることが多いです。直接助けてと言えと怒られそうですが、これがINFJなのです。

4.最後に

長々と書き連ねて参りましたが、INFJからすればドアスラムは「突然」突き放している訳ではないと言っている理由が伝わりましたら幸いです。また、あくまで1INFJの体感と意見ですので、参考程度に見ていただけますとありがたいです。

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