尾崎豊バンド「Heart of Klaxon」出演のトリビュートライブに行ってきた！

横須賀のライブハウスで開催された尾崎豊のトリビュートライブに行ってきました。

今回のライブが単なるトリビュートライブと違うのは、実際に尾崎豊とともにパフォーマンスをしていた初期ツアーバンドが再結成した点。

これはつまり、今まで音源や映像でしか耳にしたことのなかった尾崎豊のライブの音が目の前で再現されるということ。自分がリアルタイムで触れることができなかった尾崎ライブの音が、30年以上の時を経て実際のメンバーによって目の前で展開する様は想像以上のものでした。

ボーカルには尾崎のカバーバンドのメンバーが次々に登場。それぞれが得意な曲を彼らならではのパフォーマンスで歌い上げていました。

声の出し方や仕草まで研究し尽くしているかのような歌声の持ち主が多く、個性は違えどその違いも含め楽しませてもらいました。

しかしなんといっても圧巻だったのは、尾崎バンド「Heart of Klaxon」の音。言うまでもなく本物のメンバーによる本物の音なわけで、30数年の時を感じさせないシャープな生音には文字通り感動させられました。

MCではドラムの吉浦芳一さんが、尾崎からプレゼントされたネクタイをしていると語り、ギターの鴇田靖さんも同じく尾崎に選んでもらったというジージャンでステージに立っていました。それだけでなく、この日メンバーはみんな当時のライブ時に着ていたファッションでステージに立っていたとのこと。

第一部のクライマックスでは、現役ミュージシャンの吉水孝之さんと染谷俊さんのボーカルでバッチリ締めくくられ、ここまででしめて2時間。通常のライブならこれで終わるくらいのボリューム感ですが、このイベントには第二部が待っていました。

休憩を挟んでの第二部は、尾崎のコピーバンドのメンバーに「Heart of Klaxon」のメンバーが曲ごとに入れ替わりつつのセッション。これがいい意味でゆるっと楽しめて最高でした。

通常のライブイベントは、限られた時間でステージに集中しなければならないという感があるかと思いますが、このスタイルだと演者のみなさんも客席も気ままにリラックスして楽しめます。

時には「じゃあ、この曲の入りはコレでお願いしまーす」といった感じのぶっつけ本番でのセッションも。そんなセッションでもさすがベテラン勢は見事にやってのけるからすごいなと感心しました。

ライブステージの最後はボーカリストたちが一斉にステージに立ち『卒業』と『15の夜』を大熱唱。

とにかく尾崎の10代3部作のアルバム曲はほぼ網羅したのではないかというほど、たっぷりと聴けました。やっぱり今までずっと音源で耳にしていた音が、目の前で繰り広げられる様子は、何物にも代え難い貴重な経験。

ドラム、ベース、Wギター、キーボード、サックス。みなさん、本当に当時のままの音を聴かせてくれて甲乙の付けようがないのですが、最後の『15の夜』の間奏のサックスは曲を知っている人なら誰もがわかるあのフレーズが耳に飛び込んできてめちゃくちゃ胸が熱くなりました。

ステージでのライブパフォーマンスが終わっても、イベント自体はまだまだ続き、予約した方のメンバーとの撮影会そしてクライマックスには「Heart of Klaxon」のメンバーのトークショーがありました。

ここでは尾崎のバンドとして彼と時間を共にしてきたメンバーならではの秘話が続々語られました。代表曲である『卒業』を「長すぎる」と突っ込んだ話や尾崎の好きだったフレーズ、そして気に入っているがゆえに曲が一人歩きして自分の手から離れないようライブで控えていたという『OH MY LITTLE GIRL』。ライブの15分前まではバンドメンバーの楽屋で無駄話をしているのに、本番直前にメンタルを切り替えてライブに望む尾崎のメンタリティーなど、貴重な話が盛りだくさんでした。

今はまだコロナ禍ということで声援を贈れなかったりと制限があったことから、主催の方からは「またこのイベントをやろう」との声が何度もあがりました。次のチャンスも絶対にあると思いますので、その時はまた足を運びたいと思います。