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BOSAI POINTプロジェクトスタートにあたって

2019年8月29日、札幌のプレミアホテルにて記者会見をさせて頂き、BOSAI POINTプロジェクトのスタートを発表させて頂きました。僕はHONDA ESTILOという会社でアスリートのマネジメントを担当している人間なのですが、今回色々な方々の力を借りながら、BOSAI POINTプロジェクトに共同創設者として携わる事になりました。

なんでアスリートマネジメントをやっている会社が防災?と思われる方もいらっしゃると思いますが、このプロジェクトスタートに際しての僕の個人的な思いを共有させて頂ければと思います。

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「僕も世の中のためになることをやりたい」

冒頭にも言いましたが、HONDA ESTILOはアスリート・マネジメントの会社です。

僕がこの会社に入社した動機は「プロスポーツクラブの経営に携わりたい」でしたが、入社後アスリートマネジメントの仕事に3年半携わっています。
所属アスリートとしてはサッカーの本田圭佑選手、陸上棒高跳びの山本聖途選手がいます。

僕は幸運にも彼ら超一流アスリートに近い立場で彼らの競技やその他の活動に向き合う姿勢、競技結果、人間性、言葉(もちろんここでは書ききれない部分もたくさんあります)が世の中の人に勇気や元気を与える姿を目の当たりにしてきました。

僕は当然ながら彼らアスリートのような影響力・発信力は持っていないですが、段々と、自分にもせめて彼らと同じ熱量で世の中の人のためになる事が何か出来るんじゃないか、そう思うようになっていきました。

その思いは、人に夢を与え続けるアスリートである彼らと接する中で強くなってきています。

「全く新しい防災のカタチ」

''一緒に何が出来るか考えてみます''
全てはこの言葉から始まりました。BOSAI POINT事務局の亀山さんから、ソーシャル・デザインをテーマに何かうちの会社とやれる事は無いかというお話を頂いたのが、2018年11月の事でした。

そこが全ての始まりです。

その後、何度か亀山さんとのMTGを重ねる中で頂いたアイディアが新しい防災の仕組みをテーマにしたポイントドネーションシステム"BOSAI POINT"でした。

世の中のために、社会のために僕なりに出来ることをやりたい、そういう思いを持っていた僕はすぐに亀山さんと意気投合し、その場でこのプロジェクトを前に進めることを決めました。(その後、社内承認を得るまでに7ヶ月程かかりました)

正直、僕自身は東日本大震災を都内で経験しているものの、災害に対して何か大きな原体験があるわけでは無いのですが、実際に東日本大震災の被災地である宮城県多賀城市を訪れたり、BOSAI POINTのアイディアを議論したりしていく中で、今後起こりうる災害に対してもっと何か出来る事があるのでは無いかという思いが強くなっていくのを感じました。

BOSAI POINTの良いところは、

①BOSAI POINTの仕組みを通して支援する人、される人が双方向で助け合える、いわゆる共助の防災の仕組みであること

②余ってるポイントや使われずに眠ってしまっているポイント、有効期限が切れてしまうポイントを未来の災害に備える支援という価値のあるものに変換出来る

というところだと思います。

プロジェクトのコンセプトは以下のムービーをご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=vT4bIQjIXJo&feature=youtu.be

僕たちはポイントユーザーが寄付してくれたポイントを使って、未来に起こってしまう災害に備える支援物資を購入して備蓄します。5年間賞味期限がもつゼリーや太陽光で発電する携帯の充電スポットがそれにあたります。
そして、災害が起こってしまった際には、被災地にその支援物資を届けるのです。

また、ポイントユーザーに対しても。一定以上寄付してくれた人に災害に備えるための防災グッズ贈呈や地震に備える保険に入れるという特典を用意しています。

そして、その寄付されたポイントが何に使われているのか、僕たちは透明性を持ってオープンにし、寄付してくれた方に自分の寄付したポイントが何に使われたか出来る限り分かるようにしていこうと思っています。

これまで、何か災害が起きた時に支援する寄付やポイント寄付の仕組みは日本にもありましたが、誰がどこにどのような支援を行っているのか、なかなか見えづらい部分もあったと思います。

そこを改善する新しいドネーションサービスにしたい。僕らはそう思っています。


「アントレプレナーとしての挑戦」

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、HONDA ESTILOという会社は本田圭佑がオーナーを務めるKSKグループの一員です。グループには、サッカースクール事業、スポーツ施設の運営、GPSを使ったウェアラブル機器、人材紹介、保育事業、ベンチャーキャピタル、エンジェル投資など様々な事業を手掛ける会社があります。

グループの中には自分のやりたい事を見つけて、それを形にしていくアントレプレナータイプの人間が多く居ます。もちろん全てがうまく行っているわけではないですし、失敗もありますが、グループで大切にしている価値観である「失敗を恐れずに挑戦し続けよう」を体現していこうと日々チャレンジしています。

この会社に入社してから3年半、正直なところ、誰かが過去に作った事業、誰かのアイディアで生まれた仕事に携わる事のほうが多かったのは事実です。

そんな僕も自分発信の、自分がやりたいプロジェクトを作って、世の中のために出来ることをやりたいと思うようになり、同じ志を持つ仲間と0から新しいものを作る事の楽しさを知りました。

そしてそれに共感してくれる仲間を増やしたい、そういう気持ちを、この仕事を通して出会う人達に刺激を受けて持つようになりました。

最近読んだレイ・ダリオという世界最大のヘッジファンドの創業者が書いた「Principles」という本の中に素晴らしい言葉を見つけました。

''やりがいのある仕事と素晴らしい人間関係は利益を上げることよりも重要’'

この僕にとっての初めての挑戦を通して、この2つを得られたらなと思います。

「北海道から全国へ」

まずは北海道から、というサービスですが2020年3月を目標に、全国にサービスを広げて行く予定です。なぜ北海道からなのか、という事を思う方もいらっしゃると思いますが、北海道では1年前の2018年9月6日に北海道胆振東部地震が発生しました。被害の中心となった地域ではまだこの震災の爪痕が残っています。

この事業はユーザーが持つポイントを寄付してもらうので、ポイントの事業主(例:楽天ポイント=楽天、Dポイント=NTTdocomo)との連携が必要になってきます。

それを進める事が僕のこの事業の役目の一つになっているのですが、前出の亀山さんが北海道内で運用されているEZOCAポイントを運営するサツドラホールディングスさんに話をさせて貰うと、いの一番で全面協力を約束してくれました。

本当に有り難い話ですし、それが無ければ今日のサービスローンチは無かったでしょう。ありがとうございます。

"震災の爪痕が残る北海道発信で、全国に防災の輪を広げる”、これがいまの我々のミッションになっています。

「最後に」

これから、このサービスを運営していくにあたって、色々な事が起こるでしょう。うまく行かない事のほうが多いとは思います。なぜなら、このプロジェクトはポイントドネーションという文化を作り、その行動を通した新しい防災共助の仕組みを日本の皆さんに理解してもらい、共感してもらう必要がある、という大きなチャレンジだからです。

詳細は伏せますが、昨日の記者発表数日前にも予期せぬ出来事が起こり、正直サービス開始の発表が出来ないのでは無いかと思うような事態になっていました。

そんな難局を乗り切るために、僕に出来ることは正直あまり多くなかったのですが、そんな時、チームのみんなでこの難局を乗り切ろうとする大きなパワーを感じる事が出来ました。

普段は一人で仕事をすることが多い僕にとって、苦しいながらも、何か楽しい、という不思議な感覚も味わいました。(とは言え、予期せぬ出来事に関しては肝を冷やしましたが)

そんな同じ志を持つ素晴らしい仲間と、このBOSAI POINTは運営されていきます。

そして、僕ら関係者の力だけでは、この新しい防災システムは成り立ちません。もっと多くのサポーターが必要です。
当面は北海道の方たちが中心になりますが、20年3月には全国ローンチを目指しています。

このプロジェクトを成功させ、全国の皆さんと、日本中が助け合う新しい防災のカタチを作れればと思っているので、この文章を読んで頂いた皆様がこの少しでもサービスに魅力を感じて、サポーターになってもらうキッカケとなれば嬉しいなと思います。

因みにEZOCAのポイントカードは東京/御徒町でも作ることが出来ます!北海道に住んでいない方でも、カード発行→サツドラでお買い物→ポイント獲得→寄付は可能ですので、良かったら以下店舗まで足を運んでみて下さい。

日本中が助け合う新しい防災のカタチ BOSAI POINT

BOSAI POINT共同創設者 
桑城建吾

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