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竜とそばかすの姫とうとうDVD出るぞ

去年はエヴァ完結が全てだと思っていた。でも細田監督作品は観ねばと思って劇場で観た。結果、エヴァは2回、「竜とそばかすの姫」は3回劇場で観てしまった。
この頃は密を避けるために座席も一個飛ばしで快適だった。

■内容は「賛否両論」でいいと思う

たぶん、国内では否定的な人が多い作品なのかもしれない。特に日本のお客さんは説明、伏線回収にはこだわりが強い傾向にあるし。

監督は宮崎駿のような女性像からの脱却。性的搾取って日本のコンテンツに多い、ある意味ステレオタイプな女性像や日本アニメっぽい造形から離れようって試み。
そこがまた新たな女性像の描き方の問題を感じさせたり、子供には重過ぎる役目を負わせてしまうなど。色々な突っ込み要素はあるかもしれない。よくよく考えると凄すぎるテクノロジー感は説明少なめでスルーしてたり。

この作品に厳しい意見をぶつけている記事も多くあったし、その逆もまた多かった。
「サマーウォーズ」からさらに遡ると「デジモン」から続く、ネットで世界と繋がるってテーマをより今の感覚で描くために必要なピースほど叩かれやすかったのかな?とも思う。
そんな部分も含めて、この作品らしいとさえ思ってしまう面もあるのだ。ネットで飛び交う色んな意見、予想してたものしなかったもの含め細田監督の次回作の糧になるのかもしれない。

僕は、そういうネガティブな面はあまり気にしならず映像体験として肯定的に見ている。

■音楽体験の映画

●主人公の声、ボーカル

「中村佳穂」って人の存在は、この映画で初めて知った。

京都出身のミュージシャン、シンガーソングライター。ソロ、デュオ、バンド、様々な形態で、その音楽性を拡張させ続けている。

公式サイトに少し情報はあったが、よくこの人に辿りついたな。と思う。しかも、演じるのは今回が初みたいだけど。全くそんな感じしないし、トトロの糸井重里とは比較しちゃダメなんだろうけど…多才な人なんだな。

●キャラクターデザイン

たぶん見れば分かると思うけどベルのデザインは「ジン・キム」。

ディズニー作品で『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ベイマックス』など数多くのキャラクターデザインを手掛ける凄い人。
このあたりも日本的な女性キャラから脱却しようって意思が感じられる。

●Uの美術

ロンドン在住の新進気鋭のイギリス人建築家デザイナー、「エリック・ウォン」という人。
いつもの細田空間ではなく、都市っぽくあり回路っぽくあり生活感の無い不思議な空間。
ここも現実世界にはない美術でよりコントラストがあって面白い。

●音楽

一番肝なのは、音楽だと思う。
「U」を始めとする「millennium parade」の楽曲。

King Gnuもそうですが、いろんな人種やカルチャーがミックスされているのが東京の面白さという定義を軸に活動してきました。カルチャーをちゃんとミックスして、そこで新しいもの、新しい響きを作ることがテーマ。どういうアーティストが日本から出てきたら格好いいかということもずっと考えてきましたね。
音楽というのは本当に幅広くて、いろんなジャンルやアプローチがある。その中で俺個人は、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアがそうであるように、自分のことをポップアーティストでありたいと思っていて。音楽をポップアートの表現として、もっといろんなアプローチができるんじゃないかと考える中で、J-Popの枠組みを外して音楽と向き合うプロジェクトをやりたいと思い、millennium paradeを始めました

Apple musicでのコメントより

このように語る常田大希氏。

いろんな人種やカルチャーがミックスされているのが東京の面白さという定義を軸に

特に、この軸と映画のコンセプトがシンクロしているように思う。
人種、カルチャー、バックボーンも混ざり合って、逆に日本的でありながらも純粋に映画作品として海外でも受け取って貰えたのではないかと。

日本のアニメはどうしてもポップカルチャー、サブカルチャー的な目で見られがちだった。でも「竜とそばかすの姫」はジブリ作品以外で、アニメでありながらも映画作品として見て貰えた珍しいタイプだったように思う。
カンヌでスタンディングオベーションが起こったって話しもそういう反応の現れだったのかもしれない。

できたら映画館で爆音上映で観たい映画だけど、もう一回じっくり観たい。

なんちゃらエディションが多すぎて、どれにしようか迷う…

~おわり~


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