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【プーチン大統領】 知られている内容とは違う「1時間スピーチ」全文 Part.3

■ Part.2

■ 一般的に認知されている下記の内容とは「内容が違う」

■ 翻訳:今井佐緒里 氏

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■ 転載
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今日、地図を一目見るだけで、西側諸国がNATOの東方への拡大を控えるという約束を、どれほど守ってきたかを知ることができます。

彼らはごまかして、だましただけなのです。


我々は、次から次へとやってくるNATO拡大の5つの波を次々と見てきました。ポーランド、チェコ、ハンガリーは1999年に承認されました。2004年にはブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア。 2009年のアルバニアとクロアチア。2017年のモンテネグロ。そして2020年の北マケドニアです。

その結果、同盟とその軍事インフラはロシアの国境に達しました。これは、欧州の安全保障の危機の、主な原因の一つです。国際関係のシステム全体に非常に悪影響を及ぼし、相互信頼の喪失につながりました。

戦略分野も含めて、状況は悪化の一途をたどっています。例えば、世界的なミサイル防衛システムを構築するアメリカの計画の一環として、ルーマニアとポーランドに迎撃ミサイルのポジショニング・ゾーンがつくられている最中です。そこに配備されているランチャーが、攻撃型システムであるトマホーク巡航ミサイルに使用できることは、よく知られています。

またアメリカは、多目的ミサイル「スタンダード6」の開発を進めています。これは空の防御とミサイルの防衛を確かなものにして、同時に陸上と地上の標的を攻撃することができます。言い換えるなら、防御的とされているアメリカのミサイル防衛システムは、新たな攻撃的能力を開発し、拡大しているのです。

我々が入手している情報は、ウクライナのNATOへの加盟と、その後のNATO施設の配備がすでに決定されており、時間の問題であると信じる十分な理由を与えてくれます。

このシナリオを考えると、ロシアに対する軍事的脅威のレベルが何倍にも劇的に増加することを、我々ははっきりと理解しています。そして、この時点で強調しておきたいのは、我が国への突然の攻撃のリスクが増大するということです。


アメリカの戦略計画文書では、敵のミサイルシステムに対する、いわゆる予防攻撃の可能性が確認されています。我々はまた、アメリカとNATOの主な敵もわかっています。ロシアです。NATOの文書には、我が国が欧州大西洋の安全保障に対する主な脅威であると公式に宣言されています。ウクライナはそのための上陸拠点として機能するでしょう。我々の先祖がこのことを聞いても、おそらく信じないでしょう。今日、我々も信じたくないのですが、そうなのです。ロシアやウクライナの人たちにも、このことを理解してもらいたいと思います。

ウクライナの飛行場は、我々の国境からそれほど遠くない所にたくさんあります。そこに配備されたNATOの戦術機、精密兵器運搬機を含みますが、ヴォルゴグラード、カザン、サマラ、アストラカンのラインの奥まで、我が国の領土を攻撃することができるようになります。ウクライナ領内に偵察レーダーを配備することで、NATOはウラル山脈までのロシアの領空を、厳しく管理することができるようになります。

最後に、アメリカによる中距離核戦力全廃条約(INF条約)の破棄後、ペンダゴン(米国防総省)は、最大5500km離れた標的に到達できる、弾道ミサイルを含む地上攻撃兵器を公然と開発しました。

ウクライナに配備された場合、これらのシステムはロシアの欧州地域全体で標的を攻撃できるようになります。

モスクワまで、巡航ミサイル「トマホーク」の飛行時間は35分以下になります。ハリコフからの弾道ミサイルは7-8分かかります。そして極超音速攻撃兵器では4-5分です。

それは喉へ突きつけられたナイフのようなものです。過去に何度も行ってきたように、この計画を実行することを望んでいることを、私は疑っていません。NATOを東方に拡大し、軍事インフラをロシア国境まで移動させ、私たちの懸念、抗議、警告を完全に無視しているのです。すみませんが、彼らはこれらのことをまったく気にしておらず、彼らが必要だと思ったことだけをしたのです。

もちろん彼らは、これからも同じようにふるまうでしょう。
「犬は吠えるが、キャラバンは進む」という有名な諺に従って。
でも、すぐに言わせてください。
我々はこのような振る舞いを認めませんし、今後も認めません。とはいえ、ロシアは常に、最も複雑な問題を、政治的、外交的手段によって、交渉のテーブルで解決することを提唱してきました。

我々は、地域と世界の安定に対して、我々には大きな責任があることをよく認識しています。2008年、ロシアは欧州安全保障条約の締結を締結するためのイニシアチブを提唱しました。この条約では、欧州大西洋地域のいかなる国や国際機関も、他の組織を犠牲にして、自国の安全保障を強化することはできません。しかしながら、我々の提案は、あっけなく却下されました。ロシアがNATOの活動に制限を加えることは許されるべきではないという理由でした。

さらに、NATO加盟国のみが、法的拘束力のある安全保障を得ることができると明示されたのです。

昨年12月には、ロシア連邦とアメリカ合衆国との間の安全保障に関する条約案と、ロシア連邦とNATO加盟国の安全を確保するための措置に関する協定案を、西側のパートナーに提出しました。

アメリカとNATOは一般的な声明で応えました。それらには合理的な要素も含まれていましたが、二次的に重要な問題を扱っており、これはすべて、問題を引きずって、議論を誤った方向に導こうとしているように見えました。

これに対して、我々は交渉の道を歩む用意があることを示しました。ただし、すべての問題が一つのパッケージとして検討されることが条件でした。それはロシアの基本的な提案を含んでおり、3つの重要なポイントから成っています。

第一に、NATOのさらなる拡大を防ぐことです。第二に、同盟国にロシア国境の拠点への攻撃兵器システムの配備を控えさせること。そして最後に、欧州における同盟の軍事インフラを「NATO・ロシア基本議定書(Founding Act)」が署名された1997年の状態に戻すことです。


我々の原則の提案は無視されました。繰り返しますが、我々の西側諸国のパートナーたちは、すべての国には自国の安全を確保する手段を自由に選択する権利があり、いかなる軍事連合や同盟にも加盟することができるという、あまりにもおなじみの公式を再び述べました。

つまり、彼らの立場は何も変わっておらず、NATOの有名な「門戸開放」政策についても、相変わらずの古い言及がなされています。さらに、彼らはまた我々を脅迫し、制裁で私たちを脅そうとしています。これは、ロシアが主権と軍隊を強化し続けているので、何があっても導入するでしょう。

ウクライナの状況がどのように進展しても、彼らは別の制裁の攻撃の口実をみつけたり捏造したりする前に、二度よく考えることはないのは確かでしょう。

彼らのたった一つ、唯一の目的は、ロシアの発展を妨げることなのです。


そして、彼らは以前行ってきたように、たとえ公式の口実がなくても、そのことを行い続けるでしょう。我々が存在し、我々の主権や国益、我々の価値を、我々は決して妥協しないという、単純にそれだけの理由で、そうし続けるでしょう。

私ははっきりと率直に言いたいのです。これらの現状において、根本的な問題についての対等な対話のための我々の提案が、実際にはアメリカとNATOによって回答されていない現状で、また、我が国に対する脅威のレベルが著しく高まっている現状において、ロシアには自国の安全を確保するために対応する、あらゆる権利があるのです。それこそ、我々が行うことです。

ドンバスをめぐる状況に関しては、キエフのエリート支配層は、紛争を解決するためのミンスク合意の一連の措置を遵守することの拒否を、公に示すことをやめず、平和的な解決には関心がないことを、我々は確認しています。

それどころか、2014年と2015年のケースのように、彼らはドンバスで電撃戦を組織しようとしています。これらの無謀な計画がどのような結末を迎えたかは、誰もが知っています。

ドンバスのコミュニティが爆撃されない日は、1日もありません。最近形成された大規模な軍事力は、攻撃用ドローン、重装備、ミサイル、大砲、および多連装ロケット砲を使用しています。民間人の殺害、封鎖、子供、女性、高齢者を含む人々への虐待は容赦なく続いています。いわば、終わりは見えません。

このようなことが起きている間にも、文明世界は、これは我々西洋の同僚たちが唯一の代表者であると宣言しているものですが、400万人近くが直面しているこの恐怖と大量虐殺(ジェノサイド)が存在しないかのように、これを見ないことを好んでいるのです。

しかし、彼らは存在するのであり、このことが起こったのは、これらの人たちが2014年に西洋の支援を受けたウクライナのクーデターを承認せず、ウクライナで国政にランクに引き上げられた、攻撃的でネアンデルタール人のようなナショナリズムやネオナチズムへの移行に反対したからなのです。

彼らは、自分たちの土地に住み、自分たちの言葉を話し、自分たちの文化や伝統を守るという、基本的な権利のために戦っているのです。

この悲劇はどのくらい続くのでしょうか。我々はどのくらいこのことに耐えられるのでしょうか。ロシアは、ウクライナの領土保全を保持するために、あらゆることを行ってきました。

この年月ずっと、ドンバスの状況を解決するために、ロシアは粘り強く、そして辛抱強く、2015年2月12日のミンスク合意の一連の措置を統合した2015年2月17日の国連安保理決議2202の実施を推し進めてきたのです。

すべてが無駄でした。


ラーダ(訳注:ウクライナの最高議会のこと)の大統領と代議士は入れ替わりますが、基本的にキエフで権力を握った攻撃的な民族主義(ナショナリスト)の体制は変わりません。

これは完全に2014年のクーデターの産物であり、暴力、流血、無政府状態の道を歩み始めた人々は、ドンバスの問題に対する軍事ではない解決策を、認めなかったし、今も認めていないのです。

この観点から、私は、長年下さなければいけないだろうかと考えていた決定を下す必要があると考え、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立と主権を直ちに承認することが必要であると考えるのです。

私は、ロシア連邦の連邦議会がこの決定を支持し、そして二つの共和国との友好相互援助条約を批准するようお願いしたい。二つの書類は近日中に準備され、署名される予定です。

我々は、キエフで権力を掌握し、掌握し続ける者たちが、直ちに敵対行為をすぐに停止することを望んでいます。そうでなければ、流血の惨事が続くとしたらその責任は、すべてがウクライナの権力体制の良心に帰することになります。


本日の決定を発表するにあたり、私はロシア市民と、愛国心の強い軍隊の支持を確信しています。

ありがとうございます。

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