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「教科書に載っていない生き方に出会おう!」オンラインキャリア教育で意識した4つのポイント

文科省のページでキャリア教育についてこう書かれている。
「今、子どもたちには、将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現するための力が求められています。」

社会も職業も日々変化が激しい現在においては「環境変化に対応できる子に育てる」ことが、これからのキャリア教育には大切になると私は考える。

ダーウィンの進化論「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」(※諸説あり)

今回の取り組みで、意識したポイントは以下の4つ。

<自己理解>
社会や職業を知るより、まずは自分を知る。社会がどんなに変わっても自分の軸がブレなければ、柔軟に対応できる。
<偶然性>
計画されたキャリアよりも、偶然を活かすキャリアを知っておけば、臨機応変に対応できる。
<創造性>
聞く、知る、整理するの先へ。創造することができれば、新しい仕事を生み出すことができる。
<選択肢>
正解なんてない。自分の選んだ道を正解にする。また、生き方は無限にあることを知れば、思いがけない出来事に出会っても進路変更がしやすくなる。

今回はこの4つのポイントで授業を設計した。

<自己理解>10年後の自分に手紙を書く授業

オンラインキャリア教育は実は2回実施した。
1回目は私一人が6年生に授業を行った。
テーマは「10年後の自分に手紙を書こう」
自分がワクワクすることは実は大人になって変わらない。
しかし、大人になると「やるべきこと」「期待されること」が増えて、自分が本当は何にワクワクするのかを見失ってしまうことがある。
だから、今自分がワクワクすることを未来の自分に教えてあげよう。

そんなメッセージとともに、子ども達には自分自身について考えてもらい、言語化をしてもらった。

自己理解はキャリア教育の土台であり、常に考え続ける問いでもあるので、一番初めにしっかりと伝えたかった。

<偶然性>年齢・性別は当日まで非公表。キーワードだけで選ぶ。


性別や年齢、職業で選ぶのではなく、自分と趣味や性格が同じの人を選んでほしい。そうすることで「自分の好きなことは●●の仕事じゃないと実現できない」と思っている子ども達に「え、自分の好きなことを突き詰めると、こんな仕事もあるんだ」と職業の幅を広げることができる。

偶然の出会いを楽しみ、未来に活かす面白さを知って欲しい。

<創造性>職業やキャッチコピーを子ども達が考える

これからの時代、職業は「就く」ものではなく、自分で「創る」ものになる。就職という概念を少し壊して、新しい価値観を作ることを体験してほしくて、今回は、ゲストの話を聞いて、職業やキャッチコピーを子ども達に考えてつけてもらった。
同じ人の話を聞いても子ども達によってフォーカスする箇所が違う、「想い」「本人」「スキル」など様々な観点からゲストを見て、言葉を作っている。

人間の世界は言葉によってつくられている。新しい言葉は人々の認識を変え、新しい概念を生み出す。言葉は一番身近で、材料も必要なく、世界を変えられるパワーも持つ道具なのだと知ってほしい。


<選択肢> できるだけ多様な生き方をしている人を選ぶ

サッカー選手と社長を両立している方
公務員から独立した方
大手企業を辞めて、次のキャリアを考え中の方
専門学校卒だったが、大卒条件の出版社に入った方
小学校の時からずーーっと同じ夢を追い続けている方
小学校の時から夢がなかったが、今楽しく仕事している方
などなど。
「これが正解だ」「この道しかない」「こうしないと幸せになれない」
そんなことは一つもない。
生き方は100人いたら100通りあるし、挫折したっていくらでもリカバリーできる。そんなことを伝えられたと思い、ゲストの方々にも「挫折経験」を語ってもらった。

<想定外だったこと>ゲストティーチャーの喜び

ゲストティーチャーは4人(半分)は生駒市出身。
2人は生駒に所縁がある人(大学に通っていた、住んでいるなど)
2人はすごく深い関係はない。(講演などで生駒に来たことがあるなど)

初めての取り組みで、ドタバタするし、そもそも会ったこともない子ども達にいきなりオンラインで話をするなんてハードル高い。。しかも、接続確認などで事前にお時間を頂く必要もあるので、ゲストティーチャーを引き受けてもらえるだろうか?と最初は不安だった。

しかし、全てのみなさん快く引き受けてくださり、
「ふるさと納税以外に故郷に貢献できる機会をいただき、ありがとうございます」
「感想を読んで感激し、私の方が応援してもらっている気持ちです」
「小学生に話すという初めての経験で、どう生き方を説明するかを考えることが自分にとっても勉強になりました。」

などなど、私の感謝を超える感謝をゲストティーチャーから頂いた。
これからの「未来の希望」である子ども達に話をする機会は、大人にとって素晴らしい機会であることを改めて感じた。
(謝礼などはお支払いしていない)

<オンラインキャリア教育の課題>子ども達の反応が見えにくい。

本当に、これに尽きる。
現場にいればヒシヒシと伝わってくる。
子ども達はものすごく真剣に話を聞き、書ききれないくらいのメモを書いていることが。


しかし、ゲスト側には全体しか映らないので、子ども達が下を向いているのは「つまらないからなのかもしれない。。」と思ってしまう。
実際、「あれで良かったのか、夜も思い出して後悔していた。でも、感想をもらってちゃんと伝わっていたんだって分かって嬉しかった」というゲストの方もいた。

子ども達の表情が相手方に見えるような工夫はこれからの課題である。

<今後>
2月にあすか野小学校ではオンライン修学旅行を実施する。
今回の学びをここに活かすつもりだ。
アップデートしていくことで、オンラインの学びはどんどん面白くなる。

<メディア>

◆NHK奈良 ならナビ 11月6日放送
◆毎日新聞

◆奈良新聞2面 11月8日

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