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優先順位のトップが「会社」ではない人が爆発的に結果を出す組織とは?HackCampの2つの「当たり前」


「編み物をする時間と子どもとの時間が無くなったら仕事辞める」

私の友達が5か月前、HackCampに就職した。
彼女はずっと10年間自宅でフリーランスの仕事をしていた。
私と彼女は働く価値観が真逆だった。
24時間365日働きたい私とは違い、彼女は「働くのは好きではない。編み物と子どもたちとの時間がなくなるくらいなら仕事を辞める」と言い切っていた。

それなのに。そう強く言っていたのに。
彼女はたった1か月で会社にとってなくてはならない存在になり、土日もイキイキと働いていた。社内で誰もやったことのないアフリカとの新規プロジェクトにアサインされたが、彼女はわからない中でもグングン成長し、満足度の高い結果を出した。

私は不思議に思い、彼女に問いかけた。
「明らかに編み物の時間も子どもたちとの時間もないように思うけど、なぜ辞めないのか?」と。

「本当だよね」と彼女は笑ってサラッと流したが、私はあの頑ななまでに自分のライフスタイルにこだわっていた彼女を180度変えたHackCampという会社が気になって仕方がなかった。

子育て・介護中の社員が存分に力を発揮できないのは、仕事を優先順位トップにできない罪悪感。

「女性社員が管理職に立候補しない。」
「能力があるのに、子育て中の社員にリーダーを拒否された」
「育休復帰後、やめてしまう社員が多い。」
このような相談を企業からよく受ける。
女性管理職候補者への研修も依頼を受けて実施しているが、彼女たちはスキルに対しては申し分ない。しかし、責任のある役職に対して強い不安感を持っている。

「子どもがいるので長時間を働けない」「緊急の時に対応できない」「失敗しても、責任が取れない」「時短なのにそんな役職についたら周囲から嫌なことを言われる気がする」

これらの不安は当然「比較」から生まれている。
他の社員は会社に来ていて、仕事を第一優先に考えているのに、それができない自分が前に出てはいけない。

この意識が子育てや介護中の社員を委縮させ、能力を隠し、責任のない仕事を淡々とこなす席を自ら選んで座らせる。なんなら、立って仕事をすることも否まない。他の人より時間も気持ちも足りない分、きついことをすることで自分の中の罪悪感を払拭できるからだ。

組織で生きていくための処世術として否定はしない。
しかし、これだけの人材不足の今、新規社員の数を増やしたくても増やすこともできないのに、今いる社員が能力を隠して働いていては近いうちに当然立ち行かなくなる。

HackCampはほぼ全員が「兼業」と「リモート」を当たり前にやっている。

さきほど「比較」によって罪悪感が生まれると書いたが、HackCampではこの「比較」ができない。
ほぼ全員が兼業なのだ。自分の会社を経営していたり、他の会社の社員だったり、フリーランスとして活躍していたり。
経営陣も全員他のコミュニティを持っている。

社員の「子どもの学校の行事で休みます」と役員の「今日は自分の会社の仕事します」が同列なのだ。
みんなが他にも優先順位の高いものを持っていて、それが家族なのか他の仕事なのか、趣味なのかの違いだけ。
誰とも比較ができないので、罪悪感の持ちようがない。

しかも、基本的にリモートで仕事をしているので、「働く場所や時間」の比較もできない。

全員に見えているのはバックキャスティングによって作った会社の「あるべき姿」と「アクション(タスク)」「コミュニケーション」のみ。

本当にこれだけで会社として組織運営ができるのかと疑問に持つ方もいらっしゃるだろうが、チームの一員感は入って1か月未満の私ですら持てる。
直接お会いしていない方もいらっしゃるのだが。実に不思議だ。

制限や比較から生まれる罪悪感から開放されたら、人の能力は爆発的に開花するのということなのだろうか。。
うん。果たして本当にそれだけか?まだ冒頭の友達に対する疑問が全てクリアになったわけではないので、今後、このマガジンで一個ずつHackCampの謎について解明していきたい。

2021年には全員兼業&リモートが当たり前になっている。

HackCampは2018年12月11日の時点では変わっている組織だと思う。しかし、2021年にはほぼ「当たり前」になっているだろう。

なぜなら、日本に人がいないからだ。新入社員と転職希望の人だけを奪い合ってもパイは減るばかり。創業者やフリーランサーを候補にいれなければ人材獲得競争に勝てなくなる。そうすると自然とリモートの働き方を許容せざる負えなくなる。

リモートワークも女性雇用も兼業も企業が生き残るための「手段」だ。
何より大切なのは「10年後、どんな姿で会社が存在していたいか」
一番大切な「未来のありたい姿から考える」が今の働き方改革で一番置き去りにされている。
HackCampはそのビジョンを経営陣ではなく、全員で作っているからこそ、納得感もって全員で突っ走れるのだろう。

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