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「芸大の先生になりたい」から芸術活動をスタートし、ちょうど一年後、私は芸大の教壇に立っていた。

一年半前、私は芸大の卒業制作展を観に行って衝撃を受けた。
みんながスルーする社会問題を題材にしながらも、思わず楽しく触って遊んでしまい、最後に自分の無知やスタンスを痛いくらい突きつけられるような作品だった。

芸術ってすごい。
こんなものを作れる学生たちに囲まれてみたい。
「よし、芸大の先生になろう」そう思った私は芸術系大学の採用情報を調べまくった。当然、何もない私が引っかかる採用などなかった。

次に、「よし、芸大に学生として入ろう」と考えた。プロになりたいわけでも、技術を得たいわけではないので、普通の入試を乗り越える覚悟も時間も技術もなかった。
社会人の学び講座がいくつかあったが、村から行くには無理があった。
オンラインで受けれるものもあったが、それでは学生の中に入って刺激をもらう目的は達成できない。

「よし、じゃ、芸術家になろう」と決めて、初の個展を村で開催したのが、ちょうど去年の5月。それから、夏に流山市や生駒市でも合計4回開催した。

生駒での個展に来てくださったのが、名古屋学芸大学の山本 あつし先生だった。

「私を授業に呼んでください!」と図々しくお願いしたら、本当に大学と交渉してくださり、実現してくれた。

5月20日。名古屋学芸大学メディア造形学部デザイン学科 のプロデュース基礎論。

「私は人を巻き込んで企画を作るのが得意だが、なぜできるのかわからない。私の40年の人生を今から語るので、皆さんに私のプロデュース論とはどんなものかを考えてほしい」と最初に問いを投げた。

AIを利用して、小さい時の写真をつかって、あたかも当時の私が話しているような仕掛けをしたり、落語家と芸術家と2回その場で着替えたり。

落語家として、まくらを話す
AIで昔の写真を動かす


とにかく、たくさんのメッセージを学生たちに投げ続けた。

感想の中で1番印象に残っているのが以下だ。
「尾崎さんの講演が始まり、まず感じたのが「恐怖」でした。なにか凶暴な野生動物が目の前にいる……そんな緊張感の中でお話を聴いていました。その理由は、尾崎さんの欲望や上昇志向をむき出しにして、安定をかなぐり捨てて挑戦する若々しい姿は、今まで自分が見てきた「大人」のどれにも当てはまらない未知の存在だったからです。」

対面じゃないと伝えられないエネルギー、パワー、熱量を全部出し切ってきた。

私が人を巻き込むために必要なのは圧倒的熱量だと思っている。温度差によって風の流れが起きる。気圧の変化によって冷たい空気が暖かい空気の方に流れる。つまり、私の熱量が高ければ高いほど、流れを一気に加速させられる。

翌週、学生は「尾崎さんのプロデュース力とは?」をグループワークの中で話し合ってくれた、とのこと。

どんな意見が出たのか楽しみだ。

夢を叶えてくれた山本 あつし先生、本当にありがとうございました!

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