図3

SDGsはなぜこんなに自分から「遠い」のか。SDGsと距離をつめる方法。

SDGsを知って一番初めに思ったことは「遠すぎるわ」ということだった。

正しさは十分にわかる。
必要性もすごくわかる。
世界で苦しむ子ども達がこのままでいいわけがないとも思ってる。

でも、今私がすぐSDGsに向かって何かを始める動機にはならない。日常を目の前にして、世界的な長期の動きにフォーカスしては動けない。

あまりにでかすぎて、かつ自分で決めたわけじゃない目標に私はワクワクしなかった。

一方的にテレビで見たことあります的な感じで、到底仲良くなれる距離ではなかった。

私たちを遠ざける「あらゆる」「全ての」というキーワード

17の目標の中に169のターゲット(さらに詳細を記載したもの)がある。

「あらゆる場所」「あらゆるレベル」「あらゆる形態」「全ての人々」のでかいワードのオンパレードに、「私には無理なんですけど。。。」とどんどん意識が離れていく。

では、逆に制限してしまったらどうだろうか。
「あらゆる」「全て」を「自分の家族」「自分の地域」と置き換えてみる。

例えば。

6.安全な水とトイレを世界中に
「全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。」→「自分の家族の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。」

うん、これはできてる。チェック。

16 平和と公正をすべての人に
「あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。」→「 自分の地域において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる」

これはできてない。でも、住んでいる街でなら対策はできそう。

ワードを変えるだけで、すごく近づいてきたぞSDGs。ご近所さんくらいに一気にきた。

今から新しく始めるんじゃない。すでにやってることに接続するだけ。

ターゲットを読み、ワードを身近に変換すると気づくことがある。

私たちはすでにこれに向かって動いている。
私の事業内容でいくと

8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

全ての人ではないけれど、地域の人と制限すれば、私は今まさにこれを推進している。

なるほど。
SDGsは「この目標に向かって新しく始めてね!」ではなく、「今、みんなが頑張ってやっていることをわかりやすくまとめてみたよ!国連のお墨付きだから、自信もってそのままやり続けてね!」の方がニュアンス的にはしっくりくる。

私たちの動きに「大義名分」をつけてくれただけなのか。
となると、もう「近づいている」というレベルではなく、「すでにお側におります」という状況であると気が付く。おじゃる丸とデンボ並みの距離感。

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「世界の問題」を「身近な問題」にするためのチャンスはオリンピック

「あらゆる場所」で「全ての人々」が持続可能な社会で生きるには「自分の住んでいる地域」で「自分の身近な人々」が持続可能な生活ができているということ。世界中の人が自分の身近で実現できれば、世界レベルで達成できているということになる。

その時に重要なのは、国家間の差。
これをなくすためのポイントは「世界の人々」をどのように「自分の身近な人々」に変えるか、ということ。

テレビCMや写真だけで見ている「かわいそうな国」ではなく、「私がしゃべって笑いあった人の住んでいるところ」に変わることで、一気に問題が近づく。

「問題」を問題としてみるのではなく、「人」のフィルターを通す。
人と人とのつながりなくして、2030年に解決しないのではないだろうか。

子ども達にはできるだけ多くの国を「名前」や「場所」や「歴史」ではなく、まずは「人」を通して知ってほしい。
その機会を日本はラッキーなことに持っている。2020年のオリンピックだ。

私が今日からSDGsのためにできること。
今の事業を堂々と進めることと、子ども達と一緒に色んな国の選手や観光客とふれあいを持たせること。

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2月26日(火)にSDGsを子どもたちにも教えている一一般社団法人ThinktheEarth理事の上田壮一さんをお招きして、『未来を変える目標SDGsアイデアブック』を活用する機会があります。
企業向けですが、ご興味がある方へぜひ。



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