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拝啓、こんまり様。7年間にわたるあなたへの嫉妬を今日昇華させました。

初めまして、尾崎えり子と申します。

あなたとは一度もお会いしたことはありません。
約7年前に「金曜日のスマたちへ」という番組であなたを見て以来、一方的に私が嫉妬の炎を燃やしておりました。

「なぜいつもあなたばかりが目立つのか。私でもええやん!<こんまり>じゃなくて、<おざえり>でもいいやん!」とあなたを見るたびに思っていました。

はい、頭が少しおかしいのではないかと思われて当然です。

「私でもいいじゃん」という狂ったロジック

あなたとの共通点は「同じ年代」「似たような会社」「営業という職種」「女性」「日本人」というだけです。たった5つの共通点だけで私は「ほとんど同じだから私でもいいじゃん」という嫉妬によって崩壊したロジックで一方的に妬んでおりました。

私も新卒で入った会社で中小企業の経営者に対しての営業をしておりました。あなたが金スマで「営業に行った会社で社長の机をキレイにしていた」というエピソードを聞いた際「ずるいわ!!そんなん営業じゃないやん!」とわけのわからないクレームをテレビに向かってはいていました。

もちろん、嫉妬にくるっていた私はあなたの本を読んでいませんでした。
手にとったら「負けだ」とすら思っていました。
「たかが片づけの本出しただけなのに、、、」失礼ながらそんなことを思っていました。

私は片づけが病的に苦手なので、トキメクとかそんなんあるか!!と整理整頓や掃除というあなたの掲げるテーマについてもいちゃもんをつけたかったのかもしれません。

2015年「情熱大陸」と「最も影響力のある100人」で嫉妬がピークに

あなたへの嫉妬がピークに達したのは2015年、米『TIME』誌の「最も影響力のある100人」にあなたが選ばれたニュースを耳にした時だったでしょうか。

え、、、村上春樹と同列なの?
え、、、アップルの最高経営責任者も入っている100人に片づけコンサルタントがはいるの。。

さらには、私が熱望してやまない情熱大陸への出演。

思えば、あなたへの嫉妬が始まったのは、第一子の出産時期でした。
そして、嫉妬のピーク時、私は4歳と2歳の子どもに振り回され、まともに仕事ができない状況でした。
「なんでこんまりだけ。なんで私は家の中で子どもを見る生活なんだ。私だってできるのに。私の方が絶対すごいのに」

あなたからすると「私に関係ないですよね?」と思われますよね。
はい、ごもっともです。
あのころ、夜泣きでろくに眠れていなかった私が子どもの寝かしつけを終え、真っ暗の部屋であなたの出演している情熱大陸を唇をかみしめながら見ていた姿はまさにホラーだったと思います。
まともではなかったです。

とはいえ、あなたに対する嫉妬を悪口のように周囲にいったこともなければ、匿名で書き込みをしたりという卑劣なこともやったことはありません。ひたすら私の心の中で煮えたぎっていただけです。

このままでは差が広がるばかりだと考え、翌年起業しました。
あなたの<片づけ>のように、私にも世界一になれる肩書が欲しかったのです。

こんまりと同じ出版社から声がかかる

ひたすら模索をし続けていた2年目。あなたがベストセラーを出した出版社から「お話をお聞きしたい」とご連絡をいただき、ご担当者とお会いしました。

ようやく私もベストセラー作家になれるんや!!と家の中で小躍りどころか大踊りしていました。

しかし、結果、テーマが明確ではないことも実績がたりないこともあってでしょう。
企画書を出しましたが、うまくはいきませんでした。
その後も他の出版社に幾度となく色んなテーマで企画を出しましたが、「あなたが何をしている人かわかりません」とボツになりました。

本を出して、大きなオフィスを持つことも人を雇うこともなく、固定費のリスクを取らず、講演やそのノウハウだけでビジネスをしていきたい。

私は何者なのだろうか。。何屋なんだろう。
30歳にして私は途方もない自分探しに出ることになります。

あなたがアメリカにわたってからも、ずっと私の心にはあなたがいました。

レッドカーペットとNetflixコンテンツを見て、嫉妬がリスペクトに昇華。

会社も6年目に入り、メディアに出ることも多くなり、ビジネスもうまく行き始めた2018年。
それでも私はまだ自分探しをしていました。
「こんまりにとっての<片づけ>私にとっての何なんだ。。」と。
それが見つからない限り、私はこんまりにはなれない。いや、こんまりになりたいわけじゃないけど、だって同じだし。別に目指してないし。私の方がすごいし。とあなたへの想いを完全にこじらせていました。

2019年、Netflixで久しぶりにあなたを見ました。
素直に「面白いコンテンツだな」と思いました。

そして先日、アカデミー賞のレッドカーペットを歩くあなたを見て、初めて「悔しい」ではなく「誇らしい」と思いました。

そして今、『人生がときめく片づけの魔法』を読んでいます。

マジで今更ですが、あなたは「片づけ=目の前に山積みになっているものを捨てるor所定の位置に戻す」という概念を「片づけ=自分や家族のありたい姿や生活、人生から逆算して行う」に変えたのですね。

片づけを未来から考える。シンプルだけど誰も思いつかなかったから、あなたはここまで影響力を与える人になれたのですね。

属性が同じであるという理由で私の嫉妬が始まりましたが、分野は違えど、「未来から考えることでつまらないことをワクワクさせる」という考え方が同じであることを知り、それを世界で証明しているあなたはカッコいいです。今、ここであなたへの嫉妬をリスペクトに昇華させます。

勝手に私が怒り狂い、もがき苦しみ、迷い続け、リスペクトしただけの一人相撲の7年間でしたが、あなたへの嫉妬心は私にとって強い支えでした。

いつか人をワクワクさせる面白いコンテンツを作り、あなたの隣に並べるといいなと思っています。
益々のご活躍を願っています。

尾崎えり子
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私が編集長をつとめるメディアはこちらから。





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