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東京ドーム3個分

昨日、H3ロケット初号機の打ち上げが失敗した。残念なことではあるが、技術を発展させるためには失敗が付き物である。っていうか、失敗の積み重ね無しに成功は有り得ない。なので、岸田首相のツイートにもあったとおり、この失敗から得られることを最大限生かして、次へのステップとして欲しい。(👈偉そうだね、何様よ!)

JAXAの打ち上げ実況映像で言っていたのだが、本来ならばロケットは最終的には約28,000km/hまで加速したそうである。28,000km/h≒7.8km/sなので、1秒で新宿駅から北は王子駅、南は大崎駅、西は荻窪駅、東は浅草橋駅まで行けちゃうスピードなのだ。私の住んでいる千葉駅から東京駅までは直線距離で約32kmなので、32km÷7.8km/s≒4秒で到達できる計算だ。丁度一年前から約半数の列車が千葉駅に停車するようになった特急「成田エクスプレス」ですら最高でも130km/hで、東京駅まで(直線距離ではないが)ノンストップで大体26分=1,560秒かかるというのにだ。(ちなみに特急「しおさい」は錦糸町駅に停車するから約30分かかる)


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人間は古来、星空を見上げて生きてきた。一説によると数万年も前から。アルファベットの「A」はおうし座の角の部分を逆さまにした形から出来た、と言われているくらいなのだ。何を隠そうこの私も天体少年だった。小中学生の頃は、暇さえあれば夜な夜な望遠鏡を担いで近くの公園に行っていた。もちろん、覗いていたのは空であって、間違ってもベンチや車などではない、ホントに。

18世紀のフランスにも日々望遠鏡を覗いて、彗星の観測、発見に勤しんでいた天文学者がいた。C・メシエ(C.Messier)である。彗星は少しずつではあるが日々移動するのだが、彗星探索をする際に移動しないボヤっとした「邪魔な」天体があることに気が付いた彼は、それらの位置や形を記録した目録を作った。望遠鏡を覗く度に糠喜びしないように。結果、それは意図せず現在でいう星雲や星団の目録となった。メシエカタログ(Catalogue de Messier)と呼ばれるものである。例えばアンドロメダ星雲(銀河)は「M31」、オリオン大星雲は「M42」、プレアデス星団(和名:すばる)は「M45」というように。


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私の記憶が正しければ、ウルトラマンが地球上でウルトラマンとして存在できるのは3分間だったはずである。その活動時間は人間でいうところの「天突」と「膻中」の真ん中あたりに装着されていた「カラータイマー」が知らせてくれていた。2分半が経過し、残り30秒になると点灯(青)から点滅(赤)となり、ご丁寧に警報音も鳴るのである。一見すると便利そうではあるけれども、幼き日の私は、「これじゃあ、残り30秒になるまでわからないじゃん!あと30秒で何ができる?もっと前もっておしえてくれないと!!カウントダウン型タイマーをなぜ装備していない!!!」と思っていたのだった。全く持って可愛くない子供。


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「M78」はオリオン座にある星雲で「反射星雲」に位置付けられるものである。その正体は宇宙空間に漂うガスや塵で、外部からの光が当たり、それを反射しているため光って見えるのだ。M78は地球から約1,600光年の距離にある。光の速度で進んだとしても1,600年もかかるということである。先のH3ロケットのスピードと比べると、光の進む速度はおよそ1,790,000,000km/hなのでH3ロケットの最高速度28,000km/hの約64,000倍(≒1,790,000,000km/h÷28,000km/h)ということになる。って言われてピンと来る?もう少しだけわかりやすくすると、H3ロケットの最高速度でM78まで移動すると約1億年(≒1,600年×64,000倍)かかる計算になる。ちなみに地球の年齢がおよそ46億年、恐竜の全盛期が1億年前と言われている。




postscript

⑴成田エクスプレスに乗ったことは生まれてこの方、一度もありません。毎日のように見ているのに。

⑵通常、天体望遠鏡は上下左右が逆に見えます。

⑶「SUBARU(旧富士重工)」のロゴマークは「M45」を模したものです。

⑷「天突(てんとつ)」は喉の痛みや咳止めに、「膻中(だんちゅう)」は動悸や不安の解消に、それぞれ効くとされているツボです。

⑸シン・ウルトラマンにカラータイマーはありません。

⑹「ダンス☆マン」はミラーボール🪩星人です。

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