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堪んない

私が小さい頃に見ていたテレビ番組の主題歌です。

ウルトラマンタロウ
バビル2世
キャンディ♡キャンディ

これらの曲に共通するのは「転調」です。30分番組のオープニングなので、とても短い曲です。だからだと思うのですが、これから始まる本編への導入として印象深いものにするために転調が使われているのでしょう。転調することによって緊張感や高揚感が生まれますからね。私はこの転調が堪らなく好きなのです。という訳で #拘りと偏見の音楽 の第3回目はこの転調についてです。

転調にはいろいろな方法がありますが良く用いられるのが同じ主調で長調から短調、その逆の短調から長調へ転調する「同主調転調」です。上記の3曲も基本的に同主調転調なんですが、おもしろいのは「キャンディ♡キャンディ」です。長調で開始した曲を途中で短調に転調しているのですが、短調で曲が終わってしまうと寂しく悲しい感じになってしまうのでどうしても長調に戻したかったんでしょう、「ね、キャンディ・キャンディ」のラスト3小節で無理やり元の長調に戻しています。なんたる力業!

同主調転調は長短の転調をするときに一般的に使われる方法ですが、長短を変えずに転調する方法として良く用いられるのが「半音転調」や「全音転調」です。これは文字通り、曲の途中で半音上げたり、全音上げたりするもので、歌謡曲なんかの終盤部分で用いられます。盛り上がるので。

しかしながら、全音以上転調してしまう曲も結構あります。かけ離れた調に転調すればするほど、緊張感が生まれますが違和感も生まれてしまいます。このあたりの「匙加減」が作曲者(編曲者)のセンスだと思います。

そんな転調マニアの私が知り得る中での「転調大魔王」と呼ぶのに相応しい人物がいます。イギリスのニューエイジ・ミュージックの作曲家、「カール・ジェンキンス(Karl Jenkins)」です。中でも彼が作曲を手掛けている「アディエマス(Adiemus)」の楽曲は突然、とんでもない転調が行われるのが特徴です。時には数回。背筋がゾクゾクしますよ、転調マニアは。ってことで、アディエマスの曲の中から3曲ほど。


Beyond The Century


Ein Wiener Walzer (A Viennese Waltz)


Cantus - Song Of The Plains



いかがでしたでしょうか?
ちなみにこのアディエマスの曲の歌詞は何語でもありません。全く意味をなさないデタラメなもので、曲の雰囲気にあった発声を当てはめているだけなのだそうです。逆に難しいですよね、適当に決めるのって。


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