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おしっこしたくない

「じぶんでのぼる」

といって、あたしのサポートを断って自力で登り棒をここまで登り切ったおはなちゃん

褒めてやりたいのは山々だが、本題はそこじゃない

こやつはこの5分前に盛大におもらしをしたのだ

滑り台の階段でなーんかピタッと静止したなあと思うと、ジョバジョバとまりかぶりおった

公園に行く前に

「おはなちゃん、おしっこ行っとこうか?」

「いや、おしっこしたくないもん」

「分かった。そしたらしたくなったら教えてね」

「うん」

と、あれだけ念押ししておいたのに、舌の根も乾かぬうちにパンツを濡らしやがった

園内には家族づれが2組いる

おもらししたと悟られないようわざと大きな声で、

「ごめんおはなちゃん、お父さん車にスマホ忘れてきたから一緒に取りにいこう!」

と言っておはなちゃんを担ぎ上げて駐車場へダッシュ

今思えば

「じゃさっきまであんたの娘をパシャパシャ撮ってた四角い物体はなんだったんだ?」

と思われていたかもしれない

そんな辻褄を合わせる余裕のないほど焦っていたのだ

さて駐車場へ戻りお着替え

「もー、おしっこしたくなったら教えてって言ったでしょ」

「うん」

「なんで教えてくれなかったの?」

「だってしたくなかったんだもん」

「いやしてんじゃんおしっこ!」

「だっておはなちゃん、おしっこしたくなかったもん」

「でも出たでしょおしっこ!」

「うん」

「教えてよしたくなったら」

「だってしたくなかったもん」

・・待てよ(・_・)!

もしかしてこれは言葉の認識違いなのではなかろうか?

我々の感覚では、おしっこが出そうイコールおしっこしたいだが、おはなちゃんにとっては必ずしもそうではないのかもしれない

出る出ないと、したいかしたくないかは別?

たしかにおはなちゃんが教えてくれる時の言葉は、

「おしっこー」「うんちー」

と名詞だけの場合と、

「おしっこでるー」「うんちでるー」

の未来形だ

(ちょっと前までは「でたー」の過去形が「今から出る」という意味で使われていたが)

したいしたくないの欲求でなく、出るか出ないかの現象で伝えている

欲求と現象とで考えたらたしかにイコールではない

次回からは「おしっこ出るときは教えてね」というように言ってみることにしよう

おしまいまで読んでいただいてありがとうございます( ̄▽ ̄)