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掌編「うんこアレルギー」@爪毛の挑戦状

俺、自分のうんこすら無理かもしれない。
もううんこ、したくない…。


あの日以来、俺は重度の便秘に悩まされていた。夜も寝られないほどの腹痛。常に腹はパンパン。冷や汗をかきながら生活していた。

そんな俺だが、いまは病院のベッドにいる。身動きはとりづらいが腹は少し楽だ。

救急車で運び込まれたらしい。

職場で激しい腹痛に襲われ意識を失った。そして口から糞を吐いた。

想像するに、職場は阿鼻叫喚の光景だったことだろう。口から糞を吐いて倒れたところを同僚や上司に見られてしまった。お互い気分がよくないし、もう復帰はできないな…。

腸閉塞らしかった。出るに出られず行き場をなくした糞がとうとう逆流したのだ。消化管にかなりのダメージを受け、いまは上からも下からも管を挿入している。

凄まじい。それを想像すると少し吐き気がしてくる。この年でトラウマができるなんて思いもしなかった。

たぶん俺は一生、普通にうんこをすることが出来ないだろう。

枕元、鍵についた緑色のうんこキーホルダーが目に入る。身ぶるいして手の甲を見たら赤いプツプツが出ていた。

キーホルダー捨てよう。


(464文字)


看護師の義妹の話から着想しました。看護師さん尊敬します…。

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