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17分間

17分間の歌詞からストーリーを広げてみました。


学校に行くため、毎朝同じ時刻にバスを待つ僕。
今日もバスが坂を上ってくる様子を坂の上から見る。
次第にゆっくりと近づいて、やがて目の前に停まる。

バスのドアが開き、今日も僕は乗り込んでいく。
朝は吊り革につかまる毎日だが、
ここでの楽しみが僕にはあって…

それは、気になるあの子が乗っていること。

「今日も乗っているかな?」
そんな風に心の中で、一人駆け引きをする。

実際、気になるあの子の名前も知らない。
でも僕にとっては、エンジェルみたいな存在…

本当は名前を知りたいけど、
グレーの制服以外、何の手がかりもない。
恋というのは、運命のイタズラなのか…?

僕があの子と同じバスに乗っているのは
たった、17分…

でも、こんな近くで君を見ていられる。

僕にとって…この17分間は夢の持ち時間みたいなもの。声は一切、掛けることはできないけど、
それだけで満足である。


でも、最近それだけで満足なんかできないことが…
自分の恋心だけが先走ってしまう。

「話しかけたい」
「仲良くなりたい」
そんなことばかり考えてしまう。
話しかける勇気なんて無いのに…

そんなあの子は、どんなときだって笑ってる。
その笑顔は、僕の方までなぜか幸せにする。

〇〇:「はぁ〜😮‍💨」
   (何かきっかけがあればいいんだけどな…)

そんなことを考えても仕方ない…
僕は諦めようとしていた。

車内:「次は△△学園前、△△学園前です。」

〇〇:(あ、降りないと…)
僕はいつものように、降車ボタンを押す。
車内:「次、停まります。」

やがてバスが停まり、出口である前の扉へ行き
バスを降りた。


数分後

?:「ん…?」(学生証…)


放課後

帰りもいつものようにバスに乗る。
すると、あの子が乗っていることに気づく。
帰りでバスが一緒になることは無かったので
僕は少し驚いた。

すると…

〇〇:(ん?こっちに来る…)

気になるあの子がこっちに近づいてくる。

〇〇:(なんだろう…)

?:「あの…〇〇さんですか?」
〇〇:「えっ、あ、はい!」

話しかけてきたのは、気になるあの子だった。
それに驚いたのか、少しぎこちない返事をする。

?:「あの…これ〇〇さんのですよね?」
〇〇:「はい。」
?:「今日の朝、バスで落としてましたよ?」
〇〇:「ありがとうございます。」

理由はどうであれ、話しかけるきっかけができた。
そして、僕からも勇気を出して話しかけてみる。

〇〇:「あの…あなたの名前を教えてくれませんか?」
?:「私は、桜です。」
〇〇:「桜さんね。僕は〇〇です。」

桜さん…ビジュアルだけでなく名前も可愛らしい。

少しだけ桜さんと話せた。
それだけでも心の中で、僕は舞い上がっていた。


その数日後の帰り道

その日は、夕方から雨が降っていた。

傘をさしながら歩いていると
雨宿りしている桜さんを見つけた。

〇〇:「雨宿りですか?」
桜:「はい…雨が止むまで☔️」
そう言いながら、少し困った表情をする。

〇〇:「あの…よかったらこれ使ってください。」
そう言って僕は傘を渡そうとする。

桜:「いやいや…気持ちは嬉しいんですけど…
   〇〇さんが濡れちゃいますよ?」
〇〇:「いや…僕が貸してあげたいんです。
    困ってる人を見ると、
    放っておけない人なんで…」
僕は、そう答える。

桜:「本当にいいんですか?」
〇〇:「いいんです。
    僕はバス降りてからはすぐなので…」
そう言って、桜さんに傘を渡す。

〇〇:「じゃあ…僕は先帰りますね。」

そして桜さんに背中を向けて帰り始めたタイミングで
桜:「ありがとう!」
そんな声が背後から聞こえた。

僕は、少し良いことをした気分になって
嬉しさが込み上げていた。

その雨もその日の夜には止んで、すっかり晴れた。


翌日の放課後

最寄りのバス停に向かうと、桜さんが。
ここで桜さんに会うなんて…どうしたんだろう…?

〇〇:「あれっ?桜さん…」
桜:「〇〇さん。」
〇〇:「ここで会うなんて珍しいですね。」
桜:「はい、これを返そうと思って…」

僕が貸した傘を渡してくる。
〇〇:「ありがとうございます。
    別に返さなくても、良かったんですが…」
桜:「いやいや、そういう訳にはいきません。」

そう言って、僕に傘を渡してくる。

桜:「あの…何かお礼をさせてください。」
〇〇:「いや、お礼なんて…そんな…」

そう言って僕は謙遜するが…

桜:「いやいや、どうしてもお礼がしたいんです。」

そう言って、上目遣いで僕を見つめてくる。

その様子に「これは引き下がってくれないな」
そう感じた僕は…

〇〇:「じゃあ、お言葉に甘えて…」

そう答えた。

〇〇:「でも、お礼って言われても何を…?」
桜:「土曜日の10時に乃木坂駅に来てください!
   そのときにお礼がしたいので…」
〇〇:「はい!」

バスの車内でそんな会話をしながら
僕は、自宅最寄りのバス停を降りる。


土曜日

今日は桜さんがお礼をしてくれる日
「お礼って何だろう…?」と思いながら
乃木坂駅に向かった。

乃木坂駅の地下の改札を出て外に出ると
桜さんが待っていた。

桜:「〇〇さん!」
〇〇:「桜さん!」

桜さんが僕を見つけて、手を振って呼んでいる。
その声を聞き、僕は桜さんを見つける。

私服姿の桜さん…。
普段、制服姿でも十分に可愛いのに
私服だともっと可愛い…☺️
僕は思わず目を奪われてしまう。

〇〇:「今日はお礼をするって聞いてるんですけど
    どこか、行くんですか?」
桜:「うん!お礼は、行ってからのお楽しみ…」

行ってからのお楽しみってどういうことなんだろう?
そんな疑問を抱きながらも、桜さんと歩く。


歩いて数分後
やってきたのは、あるカフェ☕️

実際カフェには何度も来たことはあるが、
2人で行くことは初めてなので
いつもと違った、どこか新鮮な感じがした。

桜:「何か1つ奢るので、欲しいものをどうぞ。」
〇〇:「えっ、いいんですか?」
桜:「はい!この前のお礼、させてください。」
〇〇:「じゃあ、アイスカフェラテで…」

そう言って注文をした。

〇〇:「桜さんってどこの学生さんなんですか?」
桜:「乃木坂学園です。」

そんな会話が弾み、気づけば1時間が経っていた。

もはや、これはデートである。

お礼とは言ったものの、
その後は桜さんの買い物に付き合うことに…🛍️

まあ僕にとっては、桜さんと一緒にいれるだけで
嬉しいのである…。


そして、最後にやってきたのは、海🏖️
砂浜から少し高い位置にある展望台から
桜さんは海を見渡す。

〇〇:「桜さん、ここって海ですか?」
桜:「うん。綺麗だよね〜」
〇〇:「そうですね〜」

僕は、桜さんの隣で海を見つめる。
海も綺麗だが、桜さんの横顔が気になってしまう。

桜:「桜、ここお気に入りの場所なんだ〜
   この一面広い海を見ると、癒されるんだ。」
〇〇:「そうなんだ…でもどうして、今日ここに?」
桜:「私のお気に入りの場所に
   いつか好きな人と一緒に来ることが
   夢だったの…。」
〇〇:「えっ?」

突然の言葉に驚き、言葉が出なくなる僕。
ただ、涼しい海風が吹き抜ける…。

桜:「桜、今日〇〇さんを誘ったのは
   お礼をするためでもあったけど
   どうしても伝えたいことがあったから…」
〇〇:「伝えたいことって…?」

今まで、笑顔で溢れていた桜さんの表情が
急に引き締まって僕の方を向き、口を開く。

桜:「桜、〇〇さんのことが好きです!
   バスで見かけたときから気になってて
   気がついたら、好きになったんです。」

真剣な眼差しで、僕の返事を待っている。
突然の言葉に動揺してるが、答えなければ…

〇〇:「実は、僕も桜さんのことが好きなんです!
    こんな僕でもよかったら…
    よろしくお願いします!」

僕は、思わず照れくさくなり顔を赤くした。
桜さんまで顔が赤くなっていた。


その帰り道、2人は手を繋いで駅へと向かう。

〇〇:「でも、どうして僕のことを
    好きになったんですか?」
桜:「バスで初めて〇〇さんを見たとき
   お年寄りの方に席を譲ったり
   あのとき、傘を貸してくれたり
   そんな優しいところがきっかけかな?」

そう言われて、僕はまた顔を赤くした。


数日後

〇〇:「おはよう、桜!」
桜:「おはよう、〇〇!」

今まで、桜を見ていただけの17分間が
今となっては、桜と手を繋いで
バスに乗る17分間になった!

…終

__________

さくたんがセンターをつとめる「17分間」の歌詞から
私の妄想を繋げたストーリーとなっています。

17分間という時間でも
場所、時刻などの条件次第では
忘れられない時間になるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!