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あたりまえの日常は偶然が重なって

妄ツイ第一作目となる短編もの作品です。


?:「〇〇くん、よろしくね!」
〇〇:「うん!よろしく。」
きっかけは本当にこんな些細なことだった。


いつものように6時に起き、
顔を洗って、朝ごはんを食べて、歯を磨き、
毎朝ラッシュの人混みに紛れて学校へ向かう。

そして、学校に到着していつものように座る。

?:「おはよう!」
〇〇:「おはよう!」
僕が座るタイミングでいつも声を掛けてくるのは
あーやこと小川彩。

1年生の頃から3年間、同じクラスにいる。
みんなに優しくて、男女双方から好かれる存在。
それだけでなく、ビジュアルも良く
もちろん僕も「可愛い」と思っている。

そんな彩と僕が今、こうして話している。
彩の優しさと席が隣同士という偶然に
僕は救われている。

実際、彩と話すのは楽しい!
正直、時間があるなら
いつまでも話していたいくらいだ。


卒業式を2ヶ月後に控えた1月のある日。
この日は、午後から雨が降る予報が出ていた。

今日も6時間の授業を終えて、放課後になる。
窓から外を覗けば、冷たい雨が降っている。
教室の鍵を職員室に返して、僕は玄関へ向かう。

すると、そこには彩がいた。
〇〇:「あっ、あーやどうしたの?」
彩:「朝晴れてたけど、昼から雨降るの知らなくて…」
〇〇:「傘、忘れた感じ?」
彩:「うん…」
〇〇:「よかったら…これ使えよ。」

僕は、持ってきていた折りたたみ傘を渡す。

彩:「えっ、いいの?」
〇〇:「いいよ!」
彩:「でも…〇〇が濡れるじゃん。」
〇〇:「いいよ!駅、門出たらすぐだから…
    じゃあ、また明日な…👋🏻」

そう言って、僕は若干、彩に傘を押し付けるように
傘を渡して、冷たい雨の降る道を進んだ。


翌日
朝、目を覚ますと鼻が詰まり気味。少し寒気もあったが
特に気にすることもなく、学校へ向かう。

1時間目は、鼻詰まりがありながらも授業を受けた。
しかし、2時間目に入ると鼻詰まりに加えて
体の重さと頭痛がしてきた。

その辛さになんとか耐えて2時間目を終えたが
ここでさすがに限界が迫ってきた僕は、
「ちょっと、保健室行ってくるわ。」
そう友達に伝えて教室を後にする。

「38.5℃…🌡️」
少し下を向いて大きな溜息をつく僕。

その頃、教室では…
先生:「授業を始めるが…あれっ、〇〇は?」
友達:「何か保健室行くって言ってました!」
先生:「OK、分かった。様子見に行ってくるから
    待っててくれ!」

10分後
先生:「えー〇〇だが…風邪で早退することになった。
    小川、〇〇の荷物を机の中も見て、全部入れて
    保健室に持って行ってくれないか?」
彩:「はい!」

5分後
コンコン!(ドアをノックする)
彩:「失礼します!」
保:「あら、彩ちゃん!」
〇〇:「あーや…」
彩:「〇〇の荷物を持ってきました!」
〇〇:「悪いな〜😅」
保:「早退の手続きしてくるから、少し待ってて。」

保健室の先生の待ち時間中
〇〇:「ごめんな、あーや心配かけて…」
彩:「ううん、いいよ!別に心配してないし…笑」
〇〇:「そこは心配してくれよ!笑」
彩「wwwww」
〇〇:「wwwww」

あーやの笑顔こんな近くで見るの久しぶり。
やっぱりあーやは可愛い…☺️

彩:「嘘、心配に決まってるじゃん!
   ねえ、ちょっとおでこ貸して!」
〇〇:「うん…」

僕のおでこにあーやの手が伸びて、おでこに触れる。
あーやの顔が近くて、あーやの手の温もりを感じる。
僕は、内心ドキドキしていた。
心臓の鼓動があーやに聞こえそうなくらい…

そして、あーやの手が離れると…
彩:「う〜ん…ちょっと熱いね。
   昨日、どうして私に傘渡して
   〇〇はびしょ濡れで帰ったの?」
そう僕に尋ねてくる。
〇〇:「あーやが困ってたから…」
僕がそう答えると…
彩:「私の為にそんなことしなくてもいいのに…
   〇〇は優しすぎるよ。
   まあ、〇〇のそういうところ、
   私は嫌いじゃないけど…」
あーやが言う。
〇〇:「えっ?」
僕は思わず困惑してしまう。

そして、保健室の先生が戻ってきて
保:「それじゃ、気をつけて帰って。」
そう僕に言って見送る。
彩:「じゃあね、〇〇」
あーやもそう言って見送る。

そして、そのまま病院に行き薬を処方してもらった。
次の日も学校を休み、自宅で眠れば
夕方になる頃には、もう熱は下がっていた。


その翌日、僕は元気に学校へ向かった。
〇〇:「おはよう!」
いつものようにあいさつをして席へ向かう。
彩:「おはよう!」
あーやが僕にあいさつを交わしてくる。

あれ?あーやが少し嬉しそうに見えたのは気のせい?

そんな疑問を抱きながらも一日が始まった。


昼休み、いつものように昼食を食べながら
スマホを見ていると一件のLINEの通知が。
あーやからLINEが来るなんて珍しい…

「放課後、話したいことがあるから教室に残ってて!
 今日、日直で学級日誌とか
 いろいろやらなきゃいけないから待ってて!」

友達:「ん?〇〇どうした?」
〇〇:「いや…なんでもない」


そして、放課後になった。
ここで待つように言われたけど何だろう…

彩:「ごめん…待った?」
〇〇:「いや、別に…それで話したいことって何?」
彩:「実は私、〇〇が好き!(小声)」
〇〇:「えっ、何て…?」
彩:「だから…〇〇のことが好き!」

静かな教室にあーやと2人っきり
そこに響いたあーやの一言…
僕は言葉が出ない…驚きのあまり。
何を言ってるかは分かる…でも口が開かない。

彩:「それで、〇〇はどうなの?」

驚きあまり口が開かない状況で僕は力を振り絞った。

〇〇:「ごめん…嬉しすぎて、ちょっと出ないわ。」

彩:「えっ、それって…」
〇〇:「いや〜実は、俺もあーやのこと好きなんだ!
    3年間、ずっと同じクラスで
    よく喋ってたら、あーやと話すの楽しくて
    こんな時間が続けばいいな〜って…
    だから…」

ギュッ!

〇〇:(😳)

僕の言葉を最後まで待ち切れずに
あーやが抱きついてくる。

彩:「やったーーー!」
僕の元であーやが喜びを爆発させる。
僕もそれに答えるようにあーやを抱きしめる。

キーンコーンカーンコーン!

最終下校を表すチャイムが鳴り
僕とあーやは、手を繋いで駅へと向かった。

〇〇:「じゃあな…彩。」
彩:「えっ、今彩って言った?」
〇〇:「いや…別に?」
少し照れくさかった僕は、否定する。

彩:「今、言ったよね?」
〇〇:「あっ、もう電車が来るから行かなきゃ…
   じゃあな、彩。」
彩:「じゃあね、〇〇。」

名前で呼んだことに少し照れくさくなる〇〇
名前で呼ばれて思わず照れる彩

お互いに顔を赤くしながらも、2人は家へと進んだ。

…終

_______________
これは2人の中で
「3年間同じクラスになる」
「隣同士の席になる」
「〇〇が風邪を引く」など
偶然が重なった結果、彼氏彼女になり
やがて、あたりまえの日常になるという話です。

偶然は、自然にやってくるもの?運?
    努力すればやってくるもの?
考え方は人それぞれですが、こんな偶然に憧れた
私の妄ツイでした。

最終までお読みいただき、ありがとうございました!