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亡きお父上の青春、甦れ!SP盤

2022年4月22日(金)は「かふぇあたらくしあ」にとって、特別な夜となりました。

2日前にFacebookで当店をお知りになり、亡きお父上が若き日に集められたSP盤、蓄音機もなく再生できず、廃棄寸前だったSP盤を再生して欲しい、とご依頼をいただき、ご来店された男性。

店のWEBサイト、メニューブックにも、お持ちのSP盤をお持ちいただければジャンルに関係なく、クレデンザ蓄音機で再生させていただく旨は謳っていましたが、まさか開店2週目でご依頼があるとは思ってもみませんでした。

「SP盤あるある」ですが、ご両親やご祖父母の遺品が家にあるのだが、再生装置がない、大切なものとは分かりつつも、その処遇に苦慮する…。
断捨離すべきか否か…。

そういう方々のお悩みを解消したい。
しっかりと再生し、それを聴くことによって、持ち主様の在りし日に思いを馳せ、それをどんな時、どんな気持ちで聴き入ったのか?を一緒に想像してみたい、という素直な気持ち。
少し下世話に言えば、人様のSP盤コレクションを覗き見したい…。
そんな思いつきで始めたサービスです。

ご依頼主様はお勤め先が九段下で、神保町はランチによくお出かけになるとのこと。

ご持参されたのは、宝塚少女歌劇団、歌謡曲、ハワイアン、フォークダンス、サロンミュージック、クラシック、映画音楽、日本の抒情歌、クラシック曲のアコーディオン編曲版、タンゴ…と多ジャンルに渡る日本製10inch盤が10数枚。
幸いひびと割れが入った1枚以外は、盤面の洗いと潤滑処理できれいに再生できました。

1枚1枚タイトルと演奏者を確認し、調べられるものはその場でリリース年月を明らかにし、演奏者のプロフィールをメモしてお客様にお見せする。
そんな繰り返しをしているうちに、私自身は普段進んで聴かないジャンルの曲たちが愛おしくなる・・・。

ご依頼主の息子さんとお話ししながらの、本当に夢見心地のひと時でした。

お母様も既に他界されていらっしゃるとのことでしたが、「もしこの場にいらしたなら」と思わずにはいられませんでした。

「この空間で、この蓄音機で聴くから意味がある」と身に余るお言葉を頂戴しつつ、ダビング・サービスのご用命もいただき、SP盤をお預かりしました。再度クレデンザ蓄音機で再生、録音しCD-Rにまとめます。

春宮様、ご来店ありがとうございました。

春宮様とお父様の若き日の写真

『この道』、私ももらい泣きしそうでした。

この道(詞:北原白秋/曲:山田耕作 歌:宮川美子)

「かふぇ あたらくしあ」では、このように再生する手段がないお手持ちのSP盤を最善を尽くして再生いたします。
予約は必要ありませんが、複数枚の再生をお望みの方は事前にご連絡いただければ、ご都合に合わせて時間を取り、その場に居合わせたお客様とも、有意義な時間を共有できるかと思います。
それはさぞ気持ちの籠ったミニコンサートになるでしょう。
ドリンク・オーダーをいただければ、再生自体に料金は発生いたしません。
1926年製大型フロア蓄音機「クレデンザ」が、そのSP盤が持つ魅力を最大限に引き出せるよう善処いたします。

お問い合わせは 
cafe-ataraxia.com の「CONTACT」のお問い合わせフォーム  または ☎03‐6268-9187 までお願いいたします。


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