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アルザス、フランスとドイツの狭間に

フランス大統領選挙とストラスブール

少し鮮度を失ってしまった話だが・・・。

フランス大統領選挙中の「NHK News Watch 9」で、マクロン氏支持のストラスブール在住の男性の活動をリポートしていた。

ストラスブールはドイツとの国境にあるアルザス地方の大都市だが、過去、この町はある時は独領、またある時は仏領と歴史に翻弄された場所だ。

この男性は、もしルペン氏が大統領になったら「一つのヨーロッパ」の理念が崩れ、フランスのEU離脱もちらつき、再びこの町も含めフランス、そしてヨーロッパが分断の時代を迎えるのでは?と危惧しているのだ。

シャルル・ミュンシュ

ストラスブール出身の世界的指揮者と言えば、シャルル・ミュンシュ( Charles Munch, 1891年 9月26日 - 1968年 11月6日)。

彼が生まれた時、この町は独領(独名:シュトラスブルク)で、彼の家系もドイツ系だった。

彼はまずヴァイオリニストとして世間に知られるようになり、ドイツの名門、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターに就任する。
フルトヴェングラー、そしてヴァルターがカペルマイスター(楽長)の時代で、このオーケストラの黄金期だ。

ナチスを嫌い、フランスに帰化したミンシュは指揮者となり、パリ音楽院管弦楽団、ボストン管弦楽団、そしてパリ音楽院管弦楽団が発展的解消をし、新たに組織されたパリ管弦楽団のシェフとなった。

コスモポリタン

ミンシュはいわゆる”コスモポリタン”の典型だったと思われる。

フランス大統領選だけでなく、ウクライナ問題も含め、今、人間に問われている問題はまさにそこだ。

このレコードはミンシュが、1946年にパリ音楽院管弦楽団を指揮して録音したラヴェルの『ダフニスとクロエ』の3枚組78rpm(SP盤)。

マクロン大統領、今ひとつピリッとしない勝ち方だった。
そして、間違いなくフランスでは極右に傾く人々が増えていることは明らかだ。

戦後のドイツのようには、フランスは成りきれないだろう、という予感・・・。
マクロンは、メルケルに代わるEUの真のリーダーになれるだろうか?

これを聴きながら、そう思う。


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