見出し画像

クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #103~ニノン・ヴァラン、フォーレを歌う

やっと秋めいてきたので、そんな秋の夜長に聴きたいフォーレの歌曲を。

ニノン・ヴァラン

歌うは20世紀を代表するフランスのソプラノ、ニノン・ヴァラン(Ninon Vallin, 1886年9月8日 - 1961年11月22日)。

画像3

ヴァランの名前はドビュッシーと分かち難いものだ。
彼女は1911年にドビュッシーの知己を得て、《聖セバスティアンの殉教》の初演に参加、その後もドビュッシーが亡くなるまでたびたび共演していた。
オペラ・デビューは1912年。パリ・オペラ座でビゼー『カルメン』のミカエラ役を演じた。
そして1916年までパリ・オペラ=コミックで歌い、1916年からはミラノ・スカラ座やブエノスアイレスのコロン劇場など、ラテン系オペラの殿堂にも出演した。
1920年代に入るとパリ・オペラ座に活躍の中心を移したが、1926年にはパリ・オペラ=コミックに戻り、1946年まで出演した。

好敵手 マギー・テイト

ヴァランがドビュッシーやフォーレの歌曲を得意としていたのは当然だが、彼女より2歳年下にあたるイギリスのソプラノ、マギー・テイト(Maggie Teyte,1888.4.17 - 1976.5.26)もそれは同じ。

画像1

テイトはピアノにかのアルフレッド・コルトーを迎え、ドビュッシーの歌曲のまとまった録音があった。『ペレアストメリザンド』のメリザンド役がテイト最大の当たり役だった。

場所は違えど、ヴァランやテイトと同世代、ともに1888年生まれのロッテ・レーマンエリーザベト・シューマンが、ドイツ・オーストリア系のオペラ、リートを得意としていた。
正に1880年代終盤にこの世に生を受け、両大戦間から1940年代が終わりを告げる頃まで活躍した女性歌手の芸術には、21世紀になった現代にあっても示唆するものが多い。
後世に伝えるべき歌声だ。 

【ターンテーブル動画】

では、ニノン・ヴァランがモーリス・フォーレのピアノ伴奏でレコーディングしたフォーレの『月の光』『秋』をクレデンザ蓄音機で。

当初、竹針で再生してみたが、ピアノの音の煌めきや透明感が鉄針でよりよく引き出せるのではないか?と鉄針再生したら、BINGO!

名称未設定のデザイン - 2021-09-27T205434.435

「パロット」というメーカーのミディアム針だ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?