マガジンのカバー画像

雑文集

12
音楽全般、受験国語(現代文)、自動車、モータースポーツ、日常生活、くらし、その他雑記など。
運営しているクリエイター

#交響曲

無敵のモーツァルトとクラシック音楽の愉しみ

 サウンドの直感的な快、これこそ音楽における唯一の真実あるいは「第一定理」だろう。  クラシックはもちろん、ジャズやロック、ブルース、ボサノヴァに至るまで、みな音楽はひとしく楽しいものだ。  その点で言えば、私を音楽の原点に立ち返らせてくれるのは、いつも決まってモーツァルトのオーケストラ曲である。  ハフナー交響曲は、ほとばしり出る音楽の愉悦である。  鮮度抜群、キレッキレの第一楽章は、まさに序曲にふさわしい。  駆け巡る音階はエネルギッシュでハツラツ、晴れやかにして爽快

十代のうちに同じ曲をくりかえし聞くということの意味について

 十代のうちに、それもできるだけ早いうちに、これだ!という曲や演奏を何度もくりかえし聞くことには特別の意味がある。 1.同曲同演をくりかえし聞くということ 同じ曲を同じ演奏家でくりかえし聞くというのは、一種の異常行動である。普通は飽きるはずなのに、なぜか飽きることなく何度もくりかえして聞いてしまう、その偏愛。それこそその人に与えられた天賦の才である。  僕の場合は、バッハの《ブランデンブルク協奏曲》第5番ニ長調の第一楽章だった。ソロ・チェンバロの華麗なパッセージの数々、一