十代のうちに同じ曲をくりかえし聞くということの意味について
十代のうちに、それもできるだけ早いうちに、これだ!という曲や演奏を何度もくりかえし聞くことには特別の意味がある。
1.同曲同演をくりかえし聞くということ 同じ曲を同じ演奏家でくりかえし聞くというのは、一種の異常行動である。普通は飽きるはずなのに、なぜか飽きることなく何度もくりかえして聞いてしまう、その偏愛。それこそその人に与えられた天賦の才である。
僕の場合は、バッハの《ブランデンブルク協奏曲》第5番ニ長調の第一楽章だった。ソロ・チェンバロの華麗なパッセージの数々、一