ヘルプマーク



ヘルプマークをもらってきた。役所の窓口で貰えるものだとてっきり思っていた。窓口のおばちゃんに尋くとここじゃないんですよと。都営地下鉄の窓口ですぐ貰えますよと。


ならばと近所の都営バスの窓口へ。呼び鈴で係の方を呼び出し「ヘルプマークはこちらでいただけますか?」と一言。すると秒ではーいとレスポンスが返ってくる。そして差し出される袋に入ったピカピカのヘルプマーク。

 

何か申請する書類であるとか身分の提示であるとか現在置かれている症状の良し悪しその一切は問われず。抗がん剤治療中につき、著しい体力の低下、みたいな用意していた文言は不要だった。


手続き不要は有難いが大丈夫なのかこの制度。おそらくは性善説前提で成り立っている日本のシステムそのまま。悪用はしないでね♪という願いだけ。仕組みのゆるさをついて悪用している人間は多いだろう。


ヘルプマークをもらってきた理由は今度参戦するサンボマスターのチケットが最前席だったからだ。おそらく現在のコンディションを鑑みるに全曲は立っていられないだろう。だが最前だ。最前でひょこひょこ座るのは気が引ける。歯噛みする。ならばせめて自分の置かれている状況を分かりやすく提示することこそ彼らに対する真摯な気持ちだと思えた。


自分にとってサンボマスターは推しじゃない。だって誰が観たって、老若男女を問わずいいもの。なんなら彼らが奏でる音楽みたいに生きてみたいもの。こっちが推すよりあっちがこっちの推進力になってるもの。


いいだろ。ヘルプマーク貰いに行った理由がこれだぜ。




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