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こどもが頭をぶつけたとき

 東京クリニックで木曜外来を担当している広川です。
私は木曜以外の日は小児専門病院で小児神経外科医として働いております。

 そのため職業柄、知人からこどもの頭部打撲について質問されることがあります。具体的には「頭を強くぶつけてしまったのだけれど、病院に受診した方がいいか」「ぶつけたところにたんこぶができているが、大丈夫か」といった質問されたことがあります。もちろん病院に受診して実際に小児科医、脳外科医の診察を受けることが一番安心ですが、軽くぶつけた程度でも受診すべきなのか、自宅で様子をみられるのであればウイルスなどの感染リスクを考えて受診は避けたい、など色々と悩まれるかと思います。また、実際に受診した場合に頭部のX線検査やCT、MRIなど受けるべきなのかどうかも気になるかと思います。


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 私たち脳神経外科の医師がこどもの頭部外傷を診察するにあたっては、国際的な基準を参考にしています。そこでは、触ってみて明らかに骨折がある場合や、5cm以上の皮下血腫(たんこぶ)があるようであれば、頭のCT検査を検討することが望ましいといわれています。症状としては、いつもと比べて意識の状態が悪い(眠りがち)だったり、繰り返し吐いてしまう(3回以上)、けいれん発作などがみられた場合には検査を推奨しています。意識状態に関しては評価が難しいと思われるかもしれませんが、いつも一緒にいるご両親から見て普段と様子が違うかどうか、が大事な点になります。とは言ってもご家族で判断することは難しいことも多いと思いますので、悩んだ場合には小児科や脳神経外科のある近くの病院に迷わず受診してください。

 最後に注意点ですが、病院を受診して検査をしたり、または診察のみで特に問題がないと言われても、その後数日かけてゆっくりと頭の中に出血することもあります。受診後にも上述した症状があった場合は、再度病院を受診する事を検討してください。

 赤ちゃんは大人と比べて頭部が相対的に大きく、身体の他の部分と比較しても受傷しやすいと言われています。お子さんが頭をぶつけてしまった時にはこの内容をご参考にしていただければと思います。

東京クリニック 医師 広川 大輔


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