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【院長ブログ】0歳からの頭のかたちクリニックでの臨床・基礎研究と文部省科学研究費採択の決定

 当院での臨床・基礎研究と文部省科学研究費採択の決定につきご紹介したいと思います。

 乳児の頭位性頭蓋変形は、重度変形が出生数の3%に及ぶと推定され、精神運動発達遅延や顔面変形による機能異常のリスクも指摘されていますが、本邦では医療側の認識も低くヘルメット矯正治療はごく一部での施行に留まります。また本邦でのヘルメット治療についての研究報告は僅かであり治療指針も現在は存在していません。

 そこで当院の臨床研究では、ヘルメット治療に特化した医療施設である当院での年間1000例以上の膨大な治療症例を対象として、乳児でも瞬時に撮影できる最新3Dスキャンによる1か月毎の経時的な360度頭蓋撮影画像から、頭蓋形状解析システムによる3次元的頭蓋形状評価などを行い、これらのデータを利用してヘルメット治療の詳細な経過や有効性を検証しています。

  また当院の基礎研究としては、頭蓋長計測に留まり複雑な頭蓋顔面変形の客観的評価法がない現状に対して、CTなどの放射線被爆が無い3Dスキャン撮影画像からの新たな3次元的頭蓋顔面形状評価の解析システムを開発して、変形の分類・重症度や治療経過・有効性評価への応用を行っていきます。

 そして、これらを通してヘルメット治療の適正化と指針作成や、本邦での本症の診断・予防・治療の啓蒙や普及を目指します。

 この研究は患者様のデータを利用させていただくため、当院の倫理委員会審査を受け承認を受けております。また、この研究の対象となる患者様には当院のホームページで研究内容などにつき公開(オプトアウト)しておりますので、詳細はご参照いただければと思います。

 また私は慶應義塾大学医学部形成外科や東京歯科大学市川総合病院形成外科に長年勤務し、現在も客員教授として診療や研究を続け研究者資格を持っているため、文部省科学研究費への申請が可能です。本研究に関して、文部省科学研究費の応募に対して本年度からの新規申請をしておりましたが、本研究が基盤研究として採択されました。

 当院では、乳児の頭位性頭蓋変形に対して、診療のみならず臨床・基礎研究でも頑張って行きたい思っておりますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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東京クリニック 院長 田中一郎