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Detention【悲情城市】

1960年代台湾の白色テロに材を求めたサイドビュー2Dアクション・アドベンチャー物です。ゲームシステム的には往年のクロックタワーなどと酷似しているので直感的に遊び易いと思います。

香港のデモが進行中である現在、非常にタイムリーな作品と言えるでしょう。この事件は過去の台湾でありながら未来の香港、そうしてまた次の台湾であるかも知れません。最悪のシナリオであれば近い将来の沖縄と捉える事も可能でしょう。

ゲームに政治的なテーマやイデオロギーが必要か否かの問題はありますが、このようなテーマを持った作品は当然生まれて来るべきであるし尊いものであると個人的には思います。プロパガンダでなければ芸術作品の思想は左右対等だと考えるからです。

先日、本作の制作会社の新作が販売停止となってしまいました。理由は習近平氏を揶揄したイースターエッグが隠されていたからです。共産主義国家の影響下で作品を作る事の難しさを改めて思い知らされた形です。この点に関して言えばロシアの方が余程緩く感じますね。プーチン氏のキャラをもじったゲームがSteamには結構な数存在しています。

どの制作会社にも政治的圧力に屈する事なく作品を拵えてもらいたいと思いますし、私たちは任意に好きな作品を遊べるべきだと思います。自由主義の標榜が口先だけでない事を祈るばかりです。

まずは本作を購入して制作会社を応援する事から始めたいですね。

物語の背景に興味がおありでしたらホウ・シャオシェン監督の台湾映画「悲情城市」をお奨めします。日本軍解体以降の中国国民党による政治弾圧の空気を直に感じ取れる名作ですよ。

https://store.steampowered.com/app/555220

2019.09.02


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