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久々に「たま」を聴いた

10代の頃よく見ていたテレビ番組に「イカ天」がある。
正式名称は「平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国」。
1989年2月から1990年12月までの間、TBS系で土曜深夜に放送されていた番組だ。

いろんなバンドを輩出しブームになったにも関わらず、2年もやっていなかったことに改めて驚きを覚える。
フライングキッズやジッタリン・ジンが出た時が初期で、リトル・クリーチャーズやブランキー・ジェット・シティが出た時が末期だと簡単に認識していたが、両者の時間差は思ったほど長くなかったようだ。

出演したのがその中期にあたり、番組の象徴的存在ともいえるバンドが「たま」だった。
その独特なルックス(特にギターの知久とパーカッションの石川)とシュールな歌詞で注目を集め、結果的に「グランドイカ天キング」になり、1990年年末の紅白歌合戦にも出場した、一般的には一番の「出世頭」だ。

久々にたまが聴きたくなり、サブスクで曲を探したら、イカ天の熱冷めやらぬ、個人的によく聴いていた時期のアルバムはなく、「まちあわせ」という1992年に発売されたベストアルバムが見つかった。
とりあえず「まちあわせ」を聴いてみた。

一聴して思ったのは私はキーボードの柳原の曲が好きだということだ。
柳原はヒットし紅白でも歌われた「さよなら人類」などを作っているが、1995年に脱退している。
このバンドは知久、柳原、石川とベースの滝本の4人構成で、それぞれが自分の作った曲を歌うスタイル。ユニコーンのさらに自己完結が徹底したバージョンだ。
歌詞の世界観にはそもそもついていけてないので、好き嫌いがあるとすれば曲とボーカルということになる。
柳原の曲には「オゾンのダンス」などアップテンポなものもあり、他の3人と比べて歌を聞き手に伝えることをちゃんと意識しているように思える。
知久はメロディよりも歌詞の世界観を重視しているし、石川の描く独特の世界観には引き込まれるが曲としてはどうなの?だし、滝本はメロディが良いのもあるが歌い方が「大人」過ぎてさすがに浮いている。
柳原が脱退した理由はわからないが、そもそも意識の点で違ってたのだろう。

個人的には「満月小唄」が一番のお気に入り。
ベスト盤に入っていない「牛小屋」とか「オリオンビールの唄」とかも聴きたいな。柳原在籍時のアルバム配信望む。


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