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10minutes diaries/306

令和4年8月20日(土)

普段全然インスタのストーリーとか上げない子が、急に2、3個上げてて、それが、海外にいる映像だった。
アカウントの写真もなくて、灰色になってるような子で、このストーリーを見るまで、「元気かなぁ」なんて思い出すようなこともなくて、確かにすごく可愛い子だったから、共通の知り合いと会った時には、確かにたまに名前が出てくることはあったけど、それ以上のことはなかった。

次の日だったのかな。
またストーリーが上がってて、そこには「明日から新しい家。嬉しくて涙が出る。」みたなことが書いてあって、ホテルの部屋から撮ったのか、そこには夜に浮かぶビルが幾つか写っていた。
それ以降、また投稿がなくなったのだけど、なぜか、その日以来、ちょっとそわそわしている。

僕は20代の時に、同じように、「海外に住んでみたい」という気持ちもあって、でも、住んでみたいということ以外やりたいことなんてなくて、行っても何の仕事をしたいとかもなかったし、特に資格とか、手に職みたいのもなかったから、戻ってきた時に困るだろうななんてことを考えて、結局行くのをやめた。
それでも、年齢的に、ワーホリが最後になる時には、行きもしないのに、数万円かけて申請をして、もし気分が変わったとしても、行けるような準備もしたこともあった。

それからは、熱が冷めたのか、諦めたのかはわからないけど、特に、強い思い入れも無くなって、他の知り合いが海外に移住している姿を何人も見たけど、別に何も思わなくなっていた。
なのに、急に、その子があげてたストーリーが気になってしまった。
別に今さら、海外に住みたいとも思わないと思っているのだけど、どうしてか、心揺らいでいるような自分もいて、これは一体何なんだろうかと思う。別に、以降と思えば行けるし、まぁ、当然行くとなったら、それなりの覚悟というか、自分の人生もある程度決まってくるわけだから、そう意味での決心みたいのは必要なんだろうけど、全然不可能なことではない。

なんか、最近思うのは、人は誰しも、やっぱりちょっとした後悔というか、納得はしているけど、こうだったらよかったなとか、そんなことを抱えて生きている気がしてて、それがどこか愛おしく思える。
友達からも「実はあの子と結婚したかった」みたいな話も聞いたことがあって、今も、家族とは楽しそうにやっているし、それなりに満足はしているみたいだけど、当然、そんなことパートナーには言えないし、言う必要もないのだろうけど、そんな思いを抱えて生きて、そして、死んでいくんだなって思った。

後悔がない方がいいし、羨むことなく、やりたいことをやりたいようにできる人生の方が、もちろん楽しいのだろうけど、やっぱり、どうも思う通りにはいかなくて、それでも人生は続いていて、そんな何処か心に引っかかることを見ないようにしながら、でも忘れられなくてというのが、もしかしたら、意図せず、ある側面で人生を豊かにする、色づけるものだったりするんじゃないかなと、そんなことを思った。

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!