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10minutes diaries/281

令和4年7月26日(火)

もし、今世のこの人生に何かテーマがあるとするならば、それは「境界線の融解」なんじゃないかと思う。

基本的に、起承転結とか白黒とか、パキッと、カチッとしているのがあまり好きじゃなかったりする。
もちろん、その方がわかりやすいし、キャッチーになるのだろうけど、遊びの部分がないというか、余白がないというか、曖昧さがないというか、なだらかなグラデーションがないというか、0と1の世界というか、僕からしてみると、ひどく退屈なものに見えたりする。
そんな荒い網目で濾しても、何一つ繊細なものは残らない。

音楽だったら、浮遊感というか、溶けている感覚があるシューゲイザーが好きだし、映画も特別騒ぎ立てないものが好きだったりするし、絵も抽象画だ好きだったりする。
初めて書いた物語集のタイトルは「Question」だったが、その中で書いたすべてのテーマは基本的には、境界線を融解することだったし、その中の1本には「boundary」というタイトルもつけた。

なぜ、僕がこの境界線を融解することに惹かれているかといえば、それが、この世界の自然な姿なんじゃないかと、感覚的に思っているからだ。

あなたと私の境界線は一体なんで、夢と現実の境界線は一体なんで、生と死の境界線は一体なんで、善と悪の境界線は一体なんで、好きと嫌いの境界線は一体なんで、有と無の境界線は一体なんだろうか。
そんなものは、所詮、理解するための、他人と共感するための、社会として構成していくための、便宜的に仮定したルールであり、概念でしかないと思っている。
だから、それは正しさでもないし、固定的なものではなく流動的なものだし、おそらくはすべては一つなんだろうし、有なんだろうし、無なんだろうし、つまりは、空なんだと思う。

きっとそう思うことも、僕は何かの境界線に囚われているのだろうし、それすらも融解していくということでアウフヘーベンしていく、それが僕の今世のテーマなんだろうなと、そんなことをうっすらと感じている。

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!